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Satomimagaeの出演ライヴ3公演が決定 | 『エクスペリメンタルフォークアンビエント』の第2回、moreru が主催するパーティー『霊障』、BIAS & RELAX主催イベント『ambient room』に出演

Photo by Norio

Photo by Norio

東京を中心に活動するミュージシャン/ソングライター、Satomimagaeの出演ライヴ3公演が決定しました。
群馬県で開催される『エクスペリメンタルフォークアンビエント』の第2回、トゥルーパンクバンド、moreru が主催するパーティー『霊障』の第六回目、2024年にも出演したBIAS & RELAX主催イベント『ambient room』に再び出演します。聴き手をじわじわと引き込んでいく、唯一無二の世界観を是非ご体感ください。

 


エクスペリメンタルフォークアンビエント2

Satomimagae x Akhira Sano x Norio x Kenya Kogure

日程:2026年2月20日(金)
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
会場:ルフマート 群馬県高崎市田町53-2 2階
料金:1,500円(1ドリンク付)※当日券のみ会場:ルフマート(ルフマートにて受付)

出演:
Satomimagae
Akhira Sano
Norio
Kenya Kogure

 


霊障 vol.6

日程:2026年3月22日(日)
時間:OPEN 14:00 / START 14:30
会場:渋谷・WWW X
料金:ADV 4,000yen ※別途1ドリンク代
チケット:https://livepocket.jp/e/moreru20260322

出演:
moreru
mizuirono_inu
iVy
DC
soccer.
BBBBBBB
三上寛
魚住英里奈
Satomimagae
zzzpeaker

 

 


“ambient room”
Curated by BIAS & RELAX adv.

日程:2026年5月9日(土)
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
会場:代官山・UNIT
料金:ADV ¥5,000 / DOOR ¥5,500 ※別途1ドリンク代

<TICKET INFO>
オフィシャル先行予約URL
https://eplus.jp/ambientroom/
受付期間:2月13日(金)正午12:00〜2月23日(月)23:59
一般発売:3月7日(土)10:00〜

出演:
Takuro Okada Sextet
maya ongaku
BudaMunk
Satomimagae

主催/企画/制作:BIAS & RELAX adv.

 

 

Satomimagae:

東京を中心に活動しているアーティスト。暖かさと冷たさの間を行き来する変化に富んだフォークを 創造している。White Paddy Mountainより2枚のアルバムをリリースした後、2021年にNYのRVNG Intl. へ移籍して4枚目のアルバム『Hanazono』を幾何学模様のメンバーが主催するGuruguru Brainと共同 リリース。 国内外のアーティスト達とのコラボレーションを経て、5作目となる『Taba』を2025年春にRVNG Intl. よ り発表。

Website: https://satomimagae.jp
Twitter: https://twitter.com/satomimagae
Instagram: https://www.instagram.com/satomimagae/
Bandcamp: https://satomimagae.bandcamp.com/


新作『Butterfly』をリリースしたばかりのDaphniがRainbow Disco Club 2026 Pre-partyにも出演決定!

Photo by Fabrice Bourgelle

Photo by Fabrice Bourgelle

2/6に新作アルバム『Butterfly』をリリースしたばかりのCaribouとしても知られるカナダ出身のプロデューサー/ミュージシャン、Dan Snaithによるダンス・ミュージック・プロジェクト、Daphni(ダフニ)がRainbow Disco Club 2026 Pre-partyにも出演することが決定しました。

なお、Rainbow Disco Club 2026の本編では初日の金曜日に出演。「Ben UFO and Friends」と題したスペシャルなコラボレーションに登場します。

 

Rainbow Disco Club 2026 Pre-party
with Daphni, Hunee and Masalo (live)


日程:2026年4月4日(土)
時間:Open/Start 20:00
※ 20:00〜23:00にご入場のお客様に限り、1度だけ再入場可
会場:WOMB

料金:
Early Bird (2/12-2/19) ¥3,500 (100枚限定) SOLD OUT
ADV ¥4,000

チケット:https://womb.zaiko.io/e/rdc-pre-party

MAIN FLOOR
Daphni (3-hour opening set)
Hunee
Masalo (live)
Mayurashka

and more

Rainbow Disco Club 2026 に向けて4月4日(土) にプレパーティーを開催!今年はなんと20:00にオープンし、豪華ラインナップとともに朝まで駆け抜ける特別版となっている。 Caribou名義でワールドクラスの人気と実力を兼ね備えたDaphni がRDC 2026だけでなくプレパーティーにも出演。先日リリースした新アルバム「Butterfly」を引っ提げ、非常に貴重な3時間のオープニングセットを披露する。 また、RDC 2026 では Antal とのB2Bで出演する Hunee も登場。ソロでの国内出演は実に8年ぶり、この機会をお見逃しなく。さらに、アムステルダムが生んだ新たなスター Masalo が LIVE SET で本公演のみに出演することが決定。彼の特徴的なサウンドの中でもよりエレクトロニックな領域に踏み込んだダンサブルなLIVE SETは必見だ。 国内からは〈Rhythm Section〉や〈Animal Dancing〉など、名門レーベルから快作を連発している Mayurashka がメインフロアに登場する。

 

Rainbow Disco Club 2026

Rainbow Disco Club 2026

日時:2026年4月17日(金)9:00開場/12:00開演~4月19日(日)19:00終演
会 場:東伊豆クロスカントリーコース特設ステージ(静岡県)

出演(A to Z):

4月17日(金)
<RDC Stage>
Ben UFO
Daphni
Floating Points
シークレット・アーティスト
<RED BULL Stage>
Dungeoneering (Albino Sound & Daigos) (live)
Feline
Mala
NC4K (Stones Taro & Lomax)

4月18日(土)
<RDC Stage>
Gerd Janson
Gonno
HAAi
Sisi b2b Ouissam b2b Yamarchy
Suze Ijó
<RED BULL Stage>
DJ Maria.
DJ Nobu
Helena Hauff
Jonathan Kusuma

4月19日(日)
<RDC Stage>
Antal & Hunee
Jonny Rock
Kikiorix
Wata Igarashi and Kuniyuki present The Melting Hours

チケット:https://rainbowdiscoclub.zaiko.io/e/rdc2026

料金:

チケット:

<カテゴリー7>
通し券:27,000円
Day 2 & 3券:24,000円
通し券 (23歳以下):18,000円
グループ通し券(4枚1組):96,000円

場内キャンプ券:6,000円
場外キャンプ券:4,000円

場外駐車券A:5,000円
場外駐車券B:5,000円

更なる公演の詳細は以下のサイトで御確認ください。
オフィシャルサイト:
https://www.rainbowdiscoclub.com/

 

Daphni’s new album “Butterfly” is out now


Artist: Daphni
Title: Butterfly
Label: PLANCHA / Jiaolong

Cat#: ARTPL-247
Format: CD / Digital
CD Release Date: 2026.02.06
Price(CD): 2,200 yen + tax
https://orcd.co/abnd0vk

※ボーナス・トラック1曲収録
※解説付き予定


CARIBOUとは異なる衝動と自由!クラブとメロディのあいだを蝶のように舞うDAPHNIが描く、ダンス・ミュージックの現在形がここにある。 

昨年の夏のはじまり、Daphniとしては3年ぶりの新作となる楽曲「Sad Piano House」がリリースされた。Sofia Kourtesisとの初のコラボレーション曲「Unidos」を除けば、久々のDaphni名義での動きとなる。本曲はDaphniのカタログにおける自然な延長線上に位置づけられるもので、そのルーツはCherryの「Cloudy」、そしてそれに続くKelbinによるリミックスにまで遡る。Snaith自身や無数のDJによってフロアでプレイされるなかで、その楽曲構造の何かがダンスフロアに深い影響を与えてきた。「Sad Piano House」では、より捉えどころのない魅力を放つ、しなやかで歪んだピアノが用いられ、同様に強烈な効果を発揮しながら、現在も陶酔的なダンスフロア・アンセムとして鳴り響き続けている。

Cherryと『Butterfly』のあいだにはDaphni名義としては間が空いているが、その期間にはCaribouの最新アルバム『Honey』が制作・リリースされている。この作品では、Daphni的な即効性とダンスフロア志向の要素が、これまで以上にCaribouの音楽の隙間から顔を覗かせていた。そうした境界の曖昧化が導いたのが、『Butterfly』のリードシングル「Waiting So Long (feat. Caribou)」という興味深いコラボレーションである。一見すると意外な組み合わせだが、両者は同一人物、Dan Snaithである。この曲は、アイデンティティの混乱でも、自己陶酔でも、Snaithのラボで何かが事故的に起きた結果でもない。Snaith自身が、初めて「両方の名義に属する」と感じた楽曲であり、両方のファンに届くはずだと感じたからこそ生まれたものだ。彼はこれまで一度もDaphniの楽曲で歌ったことがなく、今回も歌うつもりで制作したわけではなかったが、それでもこの不思議なクレジットは自然に誕生した。

Daphniの音楽は常に、Snaithが長い時間を過ごしてきたダンスフロアの核心に直接訴えかけるための手段であり、その名声の拡大とともに、彼が相対するダンスフロアもまた広がり続けてきた。本作『Butterfly』は、そうした現在地だけでなく、Daphniとしての原点であるファースト・アルバム『Jiaolong』とも明確な親和性を持っている。『Jiaolong』がそうであったように、アイデアに満ち、刺激的で、Daphniというプロジェクトを一気に魅力的な存在へと押し上げたエネルギーが、ここにも息づいている。

『Butterfly』は、その多彩さと予想外の展開によって、Snaithを今なお極めて魅力的なDJたらしめている要素を余すことなく示す作品だ。「Clap Your Hands」は「Sad Piano House」のエネルギーを受け継ぎつつ、それを反転させ、Snaithのヒットメイカーとしての側面に潜む、荒々しく中毒性のある裏側を露わにする。それでも近年の彼の作品に通底する、遊び心と切迫感はしっかりと保たれている。一方、「Hang」では、コミック調のホーンが歓喜とともに解き放たれ、執拗で揺るぎない高揚感を生み出す。

さらに、より本道から外れた場所へと忍び込むような楽曲群も収録されている。Snaithは大きな舞台に立ちながらも、常にそうした道を探し続けてきた。「Lucky」は身をよじるように妖しく中毒的で、「Invention」は曲がりくねった回廊を軽やかに駆け抜け、「Talk To Me」は濁った闇の中で唸り、沈み込み、「Miles Smiles」はそのグルーヴへの絶対的な自信から、永遠に続いていくかのようだ。これらの楽曲には明確なピークや統一的な瞬間はなく、そもそも多くはダンスフロア向けとは言い難い。それでも、適切な環境で鳴らされたとき、夜通しで最も楽しい瞬間をもたらす可能性を秘めている。

そうした『Butterfly』の精神を凝縮したようなクラブ体験について、Snaithは次のように振り返る。
「このアルバムを仕上げていた頃、ドイツ・ヴッパータールのOpen Groundというクラブでロングセットをプレイしたんだ。ある意味、僕が理想とするクラブの“プラトニック・モデル”のような場所だ。完璧な音響を備えた中規模クラブを作るために、あらゆる決断が、惜しみないコストをかけてなされている。でもそれだけじゃなくて、ダンスミュージックが本来持つコミュニティ感覚を体現する、素晴らしい人たちによって運営されている。あの空間で、各地から集まった観客の前でプレイするのは本当に特別な体験だ。あそこでは何でもかけられる気がして、その夜はこのアルバムに入るほぼすべての曲の制作途中バージョンをセットで試した。もちろん、フェスティバルでの短いセットや、より荒々しい倉庫系クラブで、機能的な曲だけを叩き込むプレイも大好きだ。でもレコード作品としてのDaphniは、もっと広い意味でのダンスミュージックを考えたい。枠組みも、教会も、もっと大きくていいと思っている。機能的な曲と、より風変わりな曲を並べることが、アルバムでもDJセットでも、今の自分にとって一番面白いことなんじゃないかな。」

この感覚こそが『Butterfly』全体を通して最も強く感じられるものであり、SnaithのDJプレイを体験するたびに立ち現れるものでもある。Daphniという名義の誕生当初から、いやそれ以前から、試し、押し広げ、境界を探るスリルは常に存在してきた。『Butterfly』では、その精神があらゆるひねりと展開のなかに鮮やかに表れている。縦横無尽に飛び回りながらも、決して散漫にはならず、単なるダンスフロア用ツールの寄せ集めではなく、Snaithが持つあらゆる引き出しを凝縮した結晶として響く。そこにあるのは、きわめて人間的で、ひとつの明確なコンセプトに貫かれたもの──シンプルで、喜びに満ちた探求である。

Tracklist:

01. Sad Piano House
02. Clap Your Hands
03. Hang
04. Lucky
05. Waiting So Long
06. Napoleon’s Rock
07. Good Night Baby
08. Talk To Me
09. Two Maps
10. Josephine
11. Miles Smiles
12. Goldie
13. Caterpillar
14. Shifty
15. Invention
16. Eleven
17. Sad Piano House (Extended Mix)[Bonus Track]

 

Daphni(ダフニ):

Caribouとして知られるカナダ出身のプロデューサー/ミュージシャン、Dan Snaithによるダンス・ミュージック・プロジェクト。Caribouの内省的で緻密なサウンドとは対照的に、Daphniはクラブ・カルチャーの衝動と即興性を前面に押し出した名義であり、ハウス、テクノ、アフロビートなど多様な要素を縦横無尽にミックスすることで知られる。

2012年にアルバム『JIAOLONG』でデビューし、アナログ・シンセやサンプラーを駆使した生々しいグルーヴで一躍注目を集める。続く『Fabriclive 93』(2017年)や『Cherry』(2022年)では、DIY精神に満ちたエディット感覚とDJ的感性をさらに研ぎ澄まし、スタジオとフロアの境界を溶かすようなサウンドを展開してきた。

Daphniの作品は、Caribouにおけるメロディと構築の緻密さを保ちながらも、よりプリミティブで瞬間的なエネルギーに満ちている。Dan Snaith自身がDJとして世界中のクラブやフェスでプレイする中で生まれる音楽であり、ダンスフロアでの体験をそのままレコードに焼き付けるような生々しさを持つ。

2026年、最新作『Butterfly』ではCaribou名義の自分自身をゲストに迎えた楽曲「Waiting So Long (feat. Caribou)」を含み、両名義の境界を溶かす実験的かつ遊び心あふれる新章を提示している。


Colin Selfが2月13日にリリースするアルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』拡張版から最後の先行シングルとしてMacy Rodmanをフィチャーした「Sissykins (The Glass Hooker)」を公開

ベルリンとニューヨークを拠点に活動するアーティスト/振付師で、Holly Herndonのコラボレーターとしても知られるColin Selfが、2月13日にRVNG Intl.からリリースするアルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis(以降『r∞L4nGc』)』の拡張版から最後の先行シングルとしてMacy Rodmanをフィチャーした「Sissykins (The Glass Hooker)」を公開。

「Sissykins (The Glass Hooker)」は、怪物みたいな時代のためのダンス・ミュージックだ。あるいは、踊れる時代のためのモンスター・ミュージックなのかもしれない。世界がどれほど危うく見えようと、Colin Selfは、動くことの中にしかない解放があるのを知っている。そして「Sissykins」では、Macy Rodmanとのコラボレーションによって、ふたりはリアルタイムで姿を変え、変異していくようなリズムを作り出す。ループするホーン、ちょこまか跳ねるビート、そしてまるで邪悪なグレムリンがミキシングボードの上で暴れ回っているみたいな音が、Macy Rodmanの強迫的に響く声のまわりを、歪め、編み込み、絡み合っていく。

「私はゴースト・ガール、夜になると生き返る/体をクラッチに押し込んで、中に這い上がって入った」と、Macy Rodmanはラップする。彼らの声は不眠で朦朧としていて、人間の私たちがふだんは理解できないものを見てしまったかのように錯乱している。注意してほしい。これを夜更けの静かな時間帯にかけたら、あなたの隣で一緒にパーティーをする準備ができているのが誰なのか、分からなくなるかもしれない。

 

Colin Self’s respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis (Expanded) is out on February 13, 2026.


Artist: Colin Self
Title: respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis (expanded)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL228EX
Format: Digital
Release Date: 2026.02.13


光が分かたれることで、世界は増幅する。
Colin Self のサード・アルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』は、拡張版においてその美と射程をさらに押し広げる。

光がプリズムを通過すると、虹色が虚空へと散乱する。かつては区別のない一本の光だったものが分かたれ、無数の存在として立ち現れる。それぞれはすべて、ひとつの光源から生まれている。しかしその分岐と分裂のなかにこそ、豊穣な新しい世界を授かるという贈り物がある。

ひとつであり、同時に多数でもあることを、色彩の奔流と脈打つ光のなかで同時に知覚すること。それこそが Colin Self の音楽がもたらす恩恵であり、その真価は、2025年2月に発表されたサード・アルバムに11曲を追加した拡張版『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』において、これまで以上に明確に示されている。本作は、鮮烈なディテールで振動する音の聖堂のような存在であり、ひとつひとつの小さな瞬間が積み重なり、オリジナル・アルバムを特徴づけていた瑞々しい美しさをさらに豊かなものにしている。

Self の作品が放つ抗いがたい魅力の中心にあるのは、その声だ。声ひとつだけでも直感的で磁力を持ち、迷える魂を安全な岸辺へと導く灯台のような力を備えている。しかし、プロデューサー、パフォーマー、作曲家、マルチディシプリン・アーティスト、そしてコラボレーターとしての Self の仕事は、より多層的なかたちで完全性を獲得する。虹が無数の階調を内包するように、そのすべてのグラデーションに意味が満ちているのだ。とりわけ拡張版『r∞L4nGc』では、そのコラボレーターとしての側面が最も鮮明に浮かび上がる。新たに追加された楽曲のほぼ半数が旧知の仲間たちとの共作であり、Self は舞台を共有することを切望している。異なる角度から差し込む新たな光源が、プリズムを横切っていく。

初出時に『r∞L4nGc』を特別な作品たらしめていた要素、すなわち亡きクィアの先人たちに捧げる歌声、何世紀も先の異星のダンスフロアで鳴り響くかのようなビート、そして11分に及ぶクロージング曲「∞」に体現された、自己を解体するほどの無限性と探究精神は、すべて本作にも息づいている。オリジナル・アルバム収録曲の「gajo」と「Losing Faith」は、アコースティック・ヴァージョンとして再登場する。Self の精緻なエレクトロニクスを取り払ってもなお、これらの楽曲は装飾性を失わず、壊れかけのメリーゴーラウンドのように幽玄な美しさを湛えている。華やかな仕掛けはなくとも、丁寧に塗り重ねられた色彩が残り、Self のソングライターとしての力量がそれぞれの楽曲を確かなものにしている。

一方で、他者の声を迎えたオペラティックな楽曲群では、Self のコラボレーターとして、また形式を操る作家としての才能が際立つ。友人 Geo Wyex をフィーチャーした「Alphabet’s Chant」は、Self のオペラ作品『Tip the Ivy』に初めて登場した楽曲であり、Wyex の呪文のような歌唱が、舞台上で立ち現れた幻覚的な神秘性を再び呼び起こす。「Their slow and blue shine / Coming though that so thick fog on the water」という一節が、その世界観を鮮やかに描き出す。また、ドイツのクラシック合唱団ベルリン放送合唱団の委嘱によって制作された「Nanti Polari」では、Iwona Sobotka がポラリと呼ばれる言語で歌う。ポラリとは、数世紀前に投獄されたクィアたちが用いた隠語的な英語であり、Self は本作全体を通して、この符牒の言語を用いて語りかけている。

拡張版『r∞L4nGc』は、ヴィジュアル・アーティストの Diamond Stingily をフィーチャーした「disobedient daughters」で締めくくられる。このヴァージョンに収録された全23曲は、過去5年にわたって共に成長してきた作品群だが、Self は「disobedient daughters」が比較的新しい楽曲であり、同時に次なる方向性を示すものだと語っている。Self の作品は常に複数の時間軸を横断し、遠い過去の先人たちの記憶と、より自由な未来への夢とを現在へと引き寄せてきた。「disobedient daughters」も例外ではない。時間に縛られた存在としての「歌」という概念を破壊する、多声的なアンセムとして響き渡る。「I will fight for you / Because you fought for me / I will only stop / Once everyone is free(私はあなたのために闘う/あなたが私のために闘ってくれたから/すべての人が自由になるまで/私は止まらない)」と、Self は高らかに唱える。


Track List:

01. respite for the tulpamancer
02. gajo
03. Doll Park Doll Park
04. Dissimulato
05. Losing Faith
06. {canting}
07. Busy walks into The Memory Palace
08. paraphrase of a shadow
09. riddlecraft
10. gaolbreaker’s dream
11. Tip The Ivy
12. ∞
13. The Thief’s Journal (feat. Baths)
14. alphabet’s chant (feat. Geo Wyex)
15. Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)
16. Alone (4th Version)
17. Nanti Polari (feat. Iwona Sabotka)
18. LMO
19. set in stone
20. sunspew makes moonrune
21. gajo (acoustic version)
22. Losing Faith (acoustic version)
23. disobedient daughters (feat. Diamond Stingily & Eve Essex)

 

Colin Self’s new single “Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)” out now

Artist: Colin Self
Title: Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Buy / Listen: https://orcd.co/qx2gk97

 

Colin Self:

Colin Selfは、1987年に米国オレゴン州(ポートランド近郊)で生まれ、ニューヨークのブルックリンとベルリンを拠点に活動するアーティスト/作曲家/振付家/パペッティア(人形遣い)。音楽作品の制作に加えて、パフォーマンスや環境(空間)を含む実践を行い、制作にはコラボレーションやコミュニティの一時的な集合も含まれる。

2010年にSchool of the Art Institute of ChicagoでBFAを取得。2012年から2014年にかけては、アヴァン・ドラァグ集団Chez Deepのメンバーとしても活動し、ニューヨーク、マイアミ、グラスゴーなどでパフォーマンスを行った。その後、Holly Herndonのトリオ編成(Holly Herndon+Mat Dryhurst+Colin Self)の一員としても知られ、Radioheadの2016年ヨーロッパ・ツアーにサポート・アクトとして参加している。

作品は、ジェンダー、コミュニケーション、意識といったテーマや、社会関係、デジタル技術に関心を寄せることが記されている。([ウィキペディア][2]) 音源作品としては、デビュー作『Elation』(2015年)を皮切りに、『Siblings』(2018年)、『Orphans』(2019年)などを発表。近年はRVNG Intl.より、EP『lemniscate』(2024年10月4日)およびアルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』(2025年2月21日)をリリースし、同作のExpanded版が2026年2月13日にリリース予定とされている。

また、2023年5月にFLAU主催イベント「Crosss」で東京公演を行い、来日している。


“エコ・アンビエント”・デュオGreen-HouseがGhostly Internationalへ移籍、ニュー・アルバム『Hinterlands』を3月20日にリリース。新曲「Farewell, Little Island」がMVと共に公開。

Photo by Daniel Dorsa

Photo by Daniel Dorsa

Olive ArdizoniとMichael Flanaganによるロサンゼルス拠点のアンビエント・デュオ、Green-Houseが、新たにGhostly Internationalと契約。2023年の前作『A Host for All Kinds of Life』に続く待望のニュー・アルバム『Hinterlands』を3月20日にリリースすることを発表。あわせて、アルバムからの先行シングル「Farewell, Little Island」がMVと共に公開された。

今作についてArdizoniは、「幸福や喜び」といった感情を、芸術の文脈ではしばしば重く扱われがちなものとしてではなく、音楽の中で正当なものとして表現するというアイデアを軸にしている、と語っている。

なお新曲の「Farewell, Little Island」というタイトルは、現代テクノロジーによって沈みゆく村を描いた、Sándor Reisenbüchlerによる古い短編アニメーション作品から引用されたもの。

 

Green-House’s new album “Hinterlands” out March 20, 2026


Artist: Green-House
Title: Hinterlands
Label: PLANCHA / Ghostly International

Cat#: ARTPL-253
Format: CD
CD Release Date: 2026.03.20
Price(CD): 2,200 yen + tax

※ボーナス・トラック1曲収録予定
※解説付き予定


2023年の初来日も記憶に新しい、“エコ・アンビエント”・デュオGreen-Houseが、名門 Ghostly International移籍第一弾となる待望のサード・アルバム。自然と寄り添い、その繋がりを確かめ合うように、都市と野生、有機体とデジタルの境界を流麗に横断する未踏の音響風景(ヒンターランド)へ。溢れ出す“喜び”と“驚き”を鮮やかに鳴らす、新時代のマスターピースがここに。

Green-Houseとして活動するOlive ArdizoniとMichael Flanaganは、喜びを感じさせるダイナミックなシンセシス(音の合成)を通じて、人間性と自然界のつながりを探求している。

二人の共同制作は非常に深い。それはまるで迷彩(カモフラージュ)のように、周波数と表現が幾重にも重なり合う対話のプロセスだ。プロジェクトの出発点は、どちらのアーティストから始まることもある。Ardizoniがメロディを書き、Flanaganがそこに倍音(ハーモニクス)を構築していくこともあれば、その逆もまた然りだ。彼らのアイデアが二重螺旋のように絡み合い、個々の要素を超越した深淵な響きへと昇華される瞬間、そこにGreen-Houseとしての真の力が宿るのである。

名門Ghostly Internationalからの初リリースとなるフルアルバム『Hinterlands』において、彼らはその鮮やかなインストゥルメンタル・ソングクラフトをさらに洗練させ、ジャンルの枠に縛られない、より自由な躍動を手に入れた。これまでの作品よりもアクティブで打楽器的なアプローチ、そして感情豊かなエネルギーを湛えた本作。流れるような音の連なりは、聴く者の目の前に広大な景色を映し出す。『Hinterlands』は、この世界の美しさに対し、一種の「急進的で誠実な真心(radical honesty)」を持って向き合っているのだ。

2020年以降、ロサンゼルスのレーベルLeaving Recordsから数々の作品を世に送り出してきた二人は、常に環境への好奇心を抱き続けてきた。生楽器とシンセサイザー、高精細なサウンドデザイン、そしてArdizoniならではの独創的なメロディ。それらを駆使して、彼らは身近な場所から遠く離れた異郷(Hinterlands)まで、あらゆる空間を音で描き出す。

その旅は、アルバムの冒頭から鮮烈に始まる。オープニングの「Walking Through The Maples」では、生命力に満ちた複雑なレイヤーが、まるで目覚めたばかりの森を歩くような感覚を呼び起こす。続く「Mist On The Moat」は、霧に包まれた内省的な風景を描き出し、静謐な没入感を与える。

「The Cloud Table」は、本作の方向性を象徴する一曲だ。これまで以上にパーカッシブな要素が強調され、軽快なリズムと浮遊するシンセサイザーが絶妙な均衡を保っている。「The Wind Through The Chimes」では、風の動きを音に変換したかのような繊細なテクスチャが広がり、リスナーを束の間の瞑想へと誘う。

そして、タイトルトラックである「Hinterlands」。ここでは、アルバム全体のテーマである「未踏の地」の広大さと、そこにある微細な生命の鼓動が、ドラマチックな構成力をもって表現されている。続く「The Silent Summer」や「The Bird Of Paradise」でも、Green-Houseのシグネチャーと言える、色彩豊かで喚起力に満ちた音像が絶え間なく溢れ出す。

Green-Houseの音楽は、既存のカテゴリーに容易に収まるものではない。ニューエイジの思想やスピリチュアリティとは明確に一線を画しており、その音の構築美と密度の高さは、もはや「アンビエント」という言葉だけでは語り尽くせない。IDMや現代音楽の領域にまで大胆に踏み込んだ本作において、それでも変わらず底流に流れているのは、世界に対する開かれた好奇心と驚きの念である。

「音楽の中で、芸術としては軽視されがちな『幸福』や『歓び』といった感情を、揺るぎない正当なものとして表現したい」とArdizoniは語る。たとえ歌詞がなくても、彼女の多才なパーソナリティは、音の粒子一つひとつから眩いばかりに溢れ出している。

この『Hinterlands』は、単なるアルバムではない。それは、私たちが住むこの世界を、より鮮明に、より深く感じるための新しい地図なのだ。

Tracklist:

01. Sun Dogs
02. Sanibel
03. Farewell, Little Island
04. Misty Step
05. Dragline Silk
06. Hinterland I
07. Hinterland II
08. Hinterland III
09. Well of the World
10. Under the Oak
11. Bronze Age
12. Valley of Blue
ボーナス・トラック収録予定

 

Green-House’s new single “Farewell, Little Island” out now

Green-House – Farewell, Little Island (Official Video)

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=YrbAUBAhmqk
Credits:
Michael Flanagan – Directed, Edited
Olive Ardizoni & Scott Tenefrancia – Yosemite photography

 

Green-House:

ロサンゼルスを拠点とする Olive Ardizoni と Michael Flanagan によるプロジェクトであり、2020年に Leaving Records から発表した『Six Songs for Invisible Gardens』で植物の生命力と共鳴する「エコ・アンビエント」という新たな地平を切り拓き、2021年の『Music for Living Spaces』でその評価を決定的なものとすると、2023年10月から11月にかけては待望の初来日ツアー(東京・大阪・京都・岡山・名古屋・松本)を敢行し、日本の環境音楽への深い敬愛を滲ませた多幸感溢れるライブパフォーマンスで各地のオーディエンスを魅了した Green-House は、2026年に名門 Ghostly International への電撃移籍を果たすとともに、これまでの静謐なテクスチャを保持しつつもより躍動的なパーカッションと「急進的で誠実な真心」をコンセプトに掲げ、デジタルと自然界が未踏の調和を見せる待望のサード・アルバム『Hinterlands』を世界に放つ。


Bing & Ruthの中核メンバーでもあるDavid Moore、ソロ・ピアノ作『Graze the Bell』より最終先行曲「Will We Be There」をMVと共に公開

Photo Credit: Nina Gofur

Photo Credit: Nina Gofur

Bing & Ruthの中核メンバーとして知られ、Steve GunnやCowboy Sadnessとのコラボレーションでも注目を集めてきたDavid Mooreが、RVNG Intl.より2026年1月30日にリリース(日本盤CDはPLANCHAから)するソロ・ピアノ作品集『Graze the Bell』より、最終先行シングル「Will We Be There」を公開した。あわせて、フランス人映像作家で長年のコラボレーターでもあるSébastian Crosが監督したミュージックビデオも公開されている。アルバム『Graze the Bell』はRVNG Intl.より2026年1月30日にリリース、日本盤はPLANCHAより発売される。

「Will We Be There」は、ゆっくりと鐘を鳴らすように進行する、静かな瞑想としてのソロ・ピアノ曲だ。柔らかく深く沈み込む低音は日々の緊張をほどき、催眠的な反復が聴き手の内面を照らしていく。手の届かないものへの切実な憧れ、ほとんど超越的とも言える憂いが漂い、その感覚はポルトガル語で“saudade(サウダージ)”と呼ばれる、言葉にし難い郷愁や渇望にも通じる。タイトルが投げかける「答えのなさ」は、隠れていた感情を意識の表層へと引き上げ、問いの過程そのものが深い慰めとして響く。

Mooreは本楽曲について、「環境、経済、社会、政治、技術など、あらゆる面で不確実さが増す未来を前にしたときに押し寄せる、解放的でもあり恐ろしくもある“諦め”の感覚の反映」だと語る。一方でそれは「身体への回帰」であり、「私たちの人間性を特別なものにしている要素を受け入れること」でもあるという。2026年のいま、改めて“人間性”を肯定し主張することの重要性が、切実に響く一曲となっている。

ミュージックビデオは、Le Centquatre-Parisでの振付リハーサルを捉えたもの。ゆっくりとしたパンと親密なクローズアップ、濃密なモノクロームの質感によって、楽曲の穏やかなドラマ性が際立つ。Crosは撮影した光景を「何かを求めるでもなく、同じ空間で、みんなが一緒にただグルーヴしている。人間性の最良の姿」と表現している。

 

David Moore new single “Will We Be There” out now

Artist: David Moore
Title: Will We Be There
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/7ye1qp4

David Moore – Will We Be There (Official Video)

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=i6Lw3GsNBrI
Directed by Sébastian Cros

 

David Moore’s new album “Graze the Bell” out January 30, 2026


Artist: David Moore
Title: Graze the Bell
Label: PLANCHA / RVNG Intl.

Cat#: ARTPL-249
Format: CD / Digital
CD Release Date: 2026.01.30
Price(CD): 2,200 yen + tax

※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録

※解説付き


長いアンサンブル活動を経て、再びピアノの“原点”へ帰還
魂を揺さぶる魅惑的なソロ・ピアノ曲集であり、David Mooreの芸術性を最も凝縮した作品

Bing & Ruthのメンバーとして、そして近年はSteve Gunnとのコラボレーションでも知られるDavid Mooreが、“最も純粋な自分自身”として向き合ったピアノ・ソロ作品が完成。
Bing & Ruthはこれまでの数々の作品において、しばしばその形態とサウンドを変化させてきた。最大15名編成まで膨らんだ時期もあれば、最終的にトリオとしての在り方に到達したこともある。最新作『Species』ではムーアのファルフィサ奏法が前面に押し出され、同名のEPではその楽曲を彼自身がソロで再解釈した。この長い「精製」のプロセスの中心には、常にムーアによるピアノへの作曲と理解が存在している。20年にわたるアンサンブルでの活動を経て登場した『Graze the Bell』は、ムーアにとっての“帰還”とも言える作品だ。それは特定の場所や時間への回帰ではなく、それらを超えた、より内側にある光の中心へ帰っていくような瞬間である。

『Graze the Bell』に収録された楽曲のいくつかは、当初Bing & Ruthのアルバムとして構想されていたが、最終的にはソロ作品として再構築されることになった。ムーアはピアノのみを用い、これまで長年培ってきた手法を拡張しようと試みた。「成長し続けたいんです。そして固定化した考え方に挑みたい」と彼は語る。実験精神を積極的に受け入れ、演奏により深い“存在感”を宿すために、彼はピアノとの向き合い方、そして人生そのものを見つめ直した。ムーアの音楽は譜面に基づき、人生からの経験を取り込んでいるが、そのインスピレーションの源はより言語化しがたい領域にある。彼はその“捉えがたい何か”を意識的に育み、トランスのような状態へ自然に入る力を身につけたという。ムーアはその意図をもってピアノの前に座れば、「数秒のうちに完全にそこへ行ける」のだと語る。

本作は、一音目から最後の音まで、ニューヨーク州マウント・ヴァーノンのOktaven Audioで録音された“獣のような”1987年製ハンブルク・スタインウェイモデルDの息を呑むような響きを基盤としている。それは部分的に、時に“沈黙に触れる”ような彼の繊細な奏法に由来する。ムーアの優美なアプローチは音に空間を与え、多くの奏者が見過ごしてしまうようなピアノの色合いを浮かび上がらせる。これらのニュアンスは、グラミー受賞エンジニアBen KaneとアシスタントOwen Mulhollandによる録音・プロダクションによってさらに引き出された。彼らはムーアの実験的姿勢を後押しするように、ピッチ補正ソフトウェアをあえて“誤用”し、ピアノの音域ごとの音色をオーケストレーションする手法を用いた。

「graze the bell(ベルにかすかに触れる)」というフレーズは、数年前に突然ムーアの心に浮かび、詩的な響きを伴って彼の中に留まり続けた。人生はいつか何かに到達する「頂点」に向かう旅だという考えを、彼は長い間信じつつも次第に疑うようになった。いま彼は、“いまここにいること”にこそ確かな実感を見出している。「山頂なんて存在しないし、そこへ続く道もない。ただ、運が良ければ、時折ベルにふれることができるかもしれない――それだけなんです」と彼は綴る。その気づきはピアノ演奏にも取り込まれている。今作では、自身の癖、そして楽器そのものの癖をも受け入れ、微細な音、素朴なジェスチャー、幸運な偶然を大切にしている。

カバーに用いられている刺繍は、ノースカロライナ州の海岸で凧揚げをする妻を描いたものだ。アルバムのミックス作業と並行し約10カ月をかけて一針ずつ縫われており、その期間に起きた個人的な出来事――悲しみと希望の両方――が、その手仕事に織り込まれている。またムーアは双極性障害とも向き合っており、このアルバムの制作と刺繍の作業は、彼にとって瞑想的で癒やしをもたらす営みでもあった。

ムーアのピアノ演奏は、彼自身の経験を示す“隠された地図”のようなものであり、反復するメロディは、音階の空間をめぐりながら彼自身、そして聴き手を導いていく。ムーアの音楽は内に眠る感情を揺り動かし、私たちを共有する中心へと呼び戻す。人間性が日常的に揺さぶられ、損なわれてしまう時代にあって、『Graze the Bell』は私たちが本来の「帰るべき場所」と知っている心の響きを呼び覚ます。

Tracklist:

01. Then a Valley
02. Graze the Bell
03. No Deeper
04. Offering
05. Will We Be There
06. All This Has to Give
07. Rush Creek
08. Being Flowers
09. Pointe Nimbus (Bonus Track)

 

Photo Credit: Nina Gofur

Photo Credit: Nina Gofur

David Moore:

David Mooreはニューヨークを拠点とするピアニスト/作曲家で、ミニマル・アンビエントを基盤に独自の音楽世界を築いてきた。2006年に自身のアンサンブルBing & Ruthを結成し、最大15名編成まで拡張するなど多様な編成を経ながら、反復構造、空間性、テクスチャを重視した作曲手法を発展させてきた。2014年の『Tomorrow Was the Golden Age』が高い評価を得た後も、アンサンブルとソロの双方で活動を続け、近年はSteve Gunnとの共同作品やCowboy Sadnessでの演奏など幅広いプロジェクトに参加している。

Mooreの創作の核には常にピアノがあり、譜面に基づく構築性と、集中状態の中で生まれる即興的な感覚が共存する。音の揺らぎや沈黙に近いニュアンスを積極的に取り込みながら、自身の内面と向き合うようなアプローチを追究してきた。

現在は長年の探求を踏まえ、再びピアノを中心に据えた表現へ回帰しており、その流れの中でソロ・アルバム『Graze the Bell』が生まれている。


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