Four TetことKieran Hebdenが学友であったAdem Ilhan、Sam Jeffersと共に1996年に結成したFridgeが2001年にリリースした『Happiness』の5/26にTemporary Residenceからリリースされる発売20周年を記念し、リマスタリングし、ボーナス・トラックを加えた新装パッケージのアニヴァーサリー・エディション『Happiness – Anniversary Edition』から先行第二弾シングルとして「Cut Up Piano & Xylophone (Remastered)」が公開されました。
M. Sage new album “Paradise Crick” 5/26 release Artist: M. Sage Title: Paradise Crick Label: PLANCHA / RVNG Intl. Cat#: ARTPL-193 Format: CD / Digital CD Release Date: 2023.05.26 Price(CD): 2,200 yen + tax
M. Sageは、音楽家、インターメディア・アーティスト、レコーディングエンジニア(であり、プロデューサー、パブリッシャー、教師、パートナー、そして親である)。2010年代初頭からコロラドとシカゴの間で実験的なスタジオ録音作の広大で特異なカタログを作成し、最近のハイライトは、弓で弾くようなノスタルジアをアンサンブルで録音した『The Wind of Things』(Geographic Northから2021年にリリース。トータスの『TNT』とも比較された。)、2020年に遠方の友人達と結成した即興アンビエント・ジャズ・カルテットのFuubutsushi (風物詩)の4枚のシーズン・アルバムである。Sageは、絶妙な速度でプロジェクトを進め、完成したら終わりという完全主義的な感性で突き進んでいるが、このたびRVNG Intl.と契約してリリースされる本作『Paradise Crick』は、多作家の彼にしては異例ともいえる5年の歳月をかけて辛抱強くデザインされたもので、魅力的な異色作にして実に説得力のある作品となっており、自然界と人工の世界を一体化させた牧歌的なファンタジーのようなものだ。
01. TEPI MEMORI
02. BAHASA BARU
03. E.M.Z.
04. SPESIMEN SEMPURNA
05. INTUISI
06. KUPU KUPU ELEKTRONIK
07. DI ATAS
08. ITU CUKUP!
09. ANDA KATAKAN
10. KITA VS MEREKA
11. WANITA
12. ENERGI
13. KITA VS MEREKA (Salamanda Remix) *
14. ANDA KATAKAN (Tristan Arp Remix) *
15. BAHASA BARU (Kaazi’s Hyperspace Edit) *
*=日本盤CDボーナス・トラック
Cover by Kazuhiro Aihara
Produced, written and recorded by Melati ESP & Kaazi
Mixed by Tristan Arp (except track 3 mixed by Steve Nalepa)
Additional production on 5, 6, 7, 8 by Tristan Arp
Mastered by Christopher Botta at Fer Sound
スティーリー・ダンやボビー・コールドウェルを指標にしつつ、コンテンポラリーR&B、エレクトロニカ、70年代から80年代にインスパイアされたポップなどのサウンドをブレンドし、日本のシティ・ポップからも多大な影響を受けているロンドンの4人組PREP。 昨年11月、PREPはジャカルタのJoyland Festivalを皮切りに、マニラとバンコクでヘッドライン公演を行い、15,000枚を超えるチケットを販売し、東南アジア・ツアーをソールドアウトさせたばかりの彼らが新曲「One Day at a Time」を携えて帰ってきました。
ヴォーカリストのTom Havelockは、「”One Day at a Time”は、本当に置き去りにしたいのか確信が持てない状況から抜け出そうとすることについての曲です」と説明し、ドラマーのGuillaume Jambelは、「大合唱というよりは、街を歩いているようなクールな感じの、違った響きのコーラスを持つ曲をやりたかったんだ」と続け「そのヴァイブスを手に入れてすぐに、これはいけると思い、あとはその周りに合うものを探す作業でした。結局、本当のサマージャムになったんだ」
PREP new single “ONE DAY AT A TIME” out now
Artist: PREP Title: One Day at a Time Label: Bright Antenna Records Format: Digital Single Cat#: ARTPL-184 (CD) Release Date: 2023.04.14 Listen / Buy: https://ffm.to/odaat
Dylan Khotin-Footeは、Khotinという別名義を10年以上続けており、印象派的なエレクトロニック・プロジェクトは、彼の人生の動きとともに変化している。2014年に発表した『Hello World』のクラブ・フレンドリーなグルーヴでバンクーバーのアンダーグラウンド・ダンス・シーンの中心へと躍り出たが、一方でDJ疲れを癒すダウンテンポの2018年の『Beautiful You』のよなアプローチも見せる。彼のメロディックな感性と雰囲気に対する遊び心のある耳は、依然としてプロジェクトの指紋の波打つ核となっており、ビート・ドリヴンであれアンビエントであれ、Khotinのトラックには一聴で分かる独特の渦巻きがある。Ghostly Internationalから2枚目のLPとなる『Finds You Well』を2020年にリリースした後、Khotin-Footeは故郷のエドモントンでゆっくりとした雰囲気の中に身を置くようになった。パンデミック以前から、ソフトなプロダクションに軸足を移し、DJ活動から離れたことで、バンクーバーやクラブでのブッキングの機会は全体的に減っていたが、内向的な性格を自認する彼は、それを良しとしていた。そして彼は、新曲のトーン、ペース、ダイナミズムといった技術を倍加させ、決定的なフルレングスに到達した。それが本作『Release Spirit』である。Khotinは期待というプレッシャーから自分を解放し、彼の音楽について私たちが知っているすべてを融合させ、洗練させている。Khotinのドリーミーなスタイルの暖かさと親しみやすさが、新しいアイデアとフレームワークに出会い、自然な進行とささやかな啓示を受けたのである。
アルバムタイトルは、ビデオゲーム「World of Warcraft」の中の「Release Spirit」という仕組みを借用したもの。プレイヤーは死ぬと、魂を解放し、亡霊となって自分の死体を見つけて生き返るように促される。Khotinはこれを、帰郷によってもたらされた差し迫った変化と、その結果として生じる、創造的な自分を再び見つけるために芸術的な期待を浄化するプロセスの、価値ある比喩だと考えている。今作では、歪んだシンセ、ブレイクビーツ、ピアノの音に、リリカルなサンプル、フィールド・レコーディング、その他の抽象的な断片を混ぜ合わせ、より意図的な自由で遊び心のある作品に仕上がっている。ミックスとシーケンスには、今回初めてNik Kozubを起用した。Khotin-Footeは、レーベルNormals Welcomeを共同運営していた頃、エドモントンを拠点とするミュージシャン兼エンジニアのNikとマスタリングの工程で長い間一緒に仕事をしてきましたが、今回は彼らの距離が近くなったため、彼の”耳”をより早く取り入れることができたのだろう。結果的に「今までで一番いい音のレコードになったと思う」と語っている。
『Release Spirit』はKhotinが家族旅行で訪れたブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で過ごしたHappy Valley Roadでの出来事で制作された「HV Road」で幕を開ける。夜のコオロギを録音しようとしたようだが、弟妹によってすぐに阻止されてしまう。この可愛らしいやり取りが、リスナーをある種のコアな記憶へと導き、Khotinの最もトランスペアレントな楽曲を特徴づけてきた、誰もが理解できる温かさと驚異的なトーンを設定する。この曲は、ビートと人の声のようなハミングの相互作用で作られたグルーヴとメロディーの傑出した曲で、Khotinはこのゾーンを知り尽くしており、黙想にもクラブでのウォームアップにも等しく適している。
「3 pz」の泡立つような雰囲気と不条理さは、宇宙的でコミカルな間奏曲であると同時に、2世代前に彼の家族がカナダに移住し、英語を学ぶために使用したオーディオ・チュートリアルについて振り返っていることを語っている。「私の祖父母が奇妙なフレーズを繰り返しているのを想像することができるんだ」と彼は説明する。「Fountain, Growth」では、KhotinはモントリオールのTess Roby(3人組バンド、Dawn to Dawnとしても活動している)とコラボレーションし、プロジェクト初のヴォーカル・トラックを披露。Tessの柔らかな語り口は、螺旋状のエアポケットに響くリズミカルなプロダクションの上で、シューゲイザー・ポップのような爽やかさを醸し出している。このシングルとアルバムを通して、曲の名前の由来である彷徨える精霊のように、構成されたレイヤーの間を風が吹き抜け、「Life Mask」の鳥のさえずりを経て、「Unlimited <3>」へとシームレスに到達していく。後者はスローモーションで、カシオトーンから聞こえる実体のない音が808ドラムとサブ・ベースとぶつかり合い、トラップとインストゥルメンタル・ヒップホップの間を行き来するようなヴァイヴスを生み出している。
『Release Spirit』は夢の中のシークエンスで休息しているかのようであり、デジタル化されたアンビエントの「My Same Size」の前に、「Techno Creep」の心臓の鼓動に合わせて振動するシンセラインが踊り、ハイパーなレム状態を表現している。そして最後のパスでは、Khotinは画面の輝きから大陸横断の旅を想像し、ヨーロッパと日本の鉄道路線を追ったYouTube動画のジャンルのサウンドトラックとして、「Sound Gathering Trip」を録音した。ピアノの鍵盤が鳴り響き、静寂に満ちたサウンド・デザインが街並みから田園風景まで、レールの上を揺れ動き、彼のベッドルームの向こう側の世界を内省的に駆け抜ける。