おそらく彼にとって最も輝かしい作品と言えるであろう。オランダのマルチ・インストゥルメンタリスト、Eelco Topperによるソロ・プロジェクトFelbmの通算4作目のフル・アルバムにして日本デビュー作。冬春夏秋をテーマにした、タイムレスに響き渡る組曲を披露しているこの作品は、彼の直近のソロ2作『Elements of Nature』と『cycli infini』から自然な流れで発展したもので、自然と周期的なパターンに触れながら、日本の二十四節気というレンズを通してこれらのテーマを拡張している。
24の季節の節目を通じて私たちが耳にし、感じるものは、まさに地球の壮大さへの畏敬の念に他ならない。Felbmは自然の観察者であるだけでなく、あらゆる要素の奇跡的な本質に同調している。鳥のさえずり、草の葉、露の雫、鉛色の雲、それら一つ一つが、私たちが日々の生活の中で経験する絶え間ない変化の中で果たす役割を。『winterspring/summerfall』は大切にすべき贈り物であり、私たちを取り巻く世界における導き手、管理者、共謀者として、Felbmはアルバムを聴く際に最後の願いを託す:「最後に、Henriëtte Roland Holstの “自然の静寂は多くの音を知っている” という言葉を心に刻み、自然の沈黙に耳を傾けてください。」
TRACK LIST:
DISC 1:
01. winter i
02. winter ii
03. winter iii
04. winter iv
05. winter v
06. winter vi
07. spring i
08. spring ii
09. spring iii
10. spring iv
11. spring v
12. spring vi
Disc 2:
01. summer i
02. summer ii
03. summer iii
04. summer iv
05. summer v
06. summer vi
07. fall i
08. fall ii
09. fall iii
10. fall iv
11. fall v
12. fall vi
all music composed, performed, recorded & mixed by Eelco Topper
double bass by Nana Adjoa
ceramic percussion on ‘winter’ by Gemma Luz Bosch
created between November 2022 and December 2023
mastered by Alex Geurink
artwork & design by Joost Stokhof
photography by Felbm
vinyl realized and released together with Objects & Sounds, Ghent, Belgium
made possible with the financial support from Sena Performers Music Production Fund
本日(8/29)最新作『winterspring/summerfall』の日本限定CD盤がリリースとなるオランダのマルチ・インストゥルメンタリスト、Eelco Topperによるソロ・プロジェクトFelbm。EACH STORYへの出演が決定しておりましたが、東京での単独公演も決定致しました。EACH STORYが送る3夜の特別な東京公演『EACH STORY EACH STORY present Urban Echoes』の第三夜として開催されます。
また、第二夜のGia Margaretの来日にもPLANCHAは協力しております。
詳細は以下をご確認ください。
EACH STORY〜THE CAMP〜を主催する、EACH STORY実行委員会が送る 3夜の特別な東京公演『EACH STORY EACH STORY present Urban Echoes』
Resonating with the Hidden Spaces of the City
都市には、さわめきの奥に静けさが潜み、時間の際間に醤きが宿る。 Urban Echoes は、そうした見えない余白を音と空間で呼び覚まし、 会場ごとに異なる物語を立ち上げていく試みです。 能楽堂や歴史的建築、チャベルなど、息づく記憶をまとった場所で、 国内外のアーティストがその夜だけの音を奏でる 都市に眠る気能が共鳴し、音楽とともに新たな記憶となる ー EACH STORYが届ける、特別な音のシリーズ。
『Elements of Nature』(2021年)と『cycli infini』(2023年)のリリース以降、Felbmは自然とその絶え間ない変容を作品の主要なインスピレーションとして捉えるようになった。『Elements of Nature』は、彼が2週間滞在した修道院の風景と音によって形作られ、その環境のエッセンスを捉えており、長編作品『cycli infini』は反復という概念を深く掘り下げ、自然界と私たちの認識を特徴づける反復パターンを探求している。
アメリカのミュージシャンでありインターメディア・アーティストそして即興アンビエント・ジャズ・カルテットのFuubutsushi (風物詩)のメンバーでもあり、現代アンビエント〜エクスペリメンタル・ミュージックのシーンにおいて中核を担うMatthew Sage(M. Sage)が9/26にRVNG Intl.からリリースするニュー・アルバム『Tender / Wading』から新たな先行シングル「Wading the Plain(草原を歩く)」が公開。 アルバムでは独自のサウンドを展開しており、牧歌的なフォーク・コズミッシェ(Kosmische:クラウトロック由来の音楽スタイル)とも言えるもので、フロントレンジ(コロラドの山岳地帯)のための内省的なエレクトロ・アコースティック・バーン・ジャズ。淡い水たまりの青や、錆びたオイルドラムの赤に満ちた音世界です。このたび公開された「Wading the Plain」はアルバムのハイライトで、クラリネットとピアノの音が高い草むらを切り裂くように響きます。本人はこの曲を「ポスト・インターネット時代の住人のための、ある種の家庭的で牧歌的なアンセム」と語っています。
「Wading the Plain」には、M. Sage自身が監督したビデオも付随しています。このビデオについて彼はこう語ります。「『Wading the Plain』は、ある種の発掘作業なんです。あなたが招かれたその時点で、もうその中心にたどり着いている。スコップの代わりに使ったのは“光”でした。このビデオの中心には、オブジェクト指向存在論(object-oriented ontology)がある。物を集めて配置することで、そこに一種の“議会”のような関係性が生まれ、そのロジックは、時として人間の理解を超えたものになることもあるのです。」
M. Sage new single “Wading the Plain” out now Artist: M. Sage Title: Wading the Plain Label: PLANCHA / RVNG Intl. Format: Digital Single
M. Sage new album “Tender / Wading” out on September 26 Artist: M. Sage Title: Tender / Wadings Label: PLANCHA / RVNG Intl. Cat#: ARTPL-239 Format: CD / Digital CD Release Date: 2025.09.26 Price(CD): 2,200 yen + tax
01. The Garden Spot 02. Witch Grass 03. Chinook 04. Wading the Plain 05. Open Space Properties 06. Telegraph Weed Waltz 07. Fracking Starlite 08. Field House Deer (Mice) 09. Tender of Land 10. Tender of Land (Patrick’s Version) (Bonus Track) 11. Watering Twig (Bonus Track) 12. Two Sleets (Bonus Track)
M. Sage:
Matthew Sage は、ミュージシャン、インターメディア アーティスト、レコーディング エンジニアおよびプロデューサー、出版社、教師、パートナー、および親です。 2010年代初頭から、コロラドとシカゴの間で、彼は遊び心のあるニュアンスのあるベロシティと完成主義的な感性を備えたプロジェクトをレンダリングし、多角的な実験的なスタジオ・ミュージックの特異なカタログ輩出してきた。
コロラド州で生まれ育ったSageは、ドラムやギターなど、手に入る楽器は何でも演奏して育ち、中学から高校にかけてバンドに参加した後、インターネット上のDIY音楽文化に出会った。大学在学中にテープ・レーベルPatient Soundsを設立し、100を超えるアーティストの音楽をリリースするとともに、M.Sageとして、またFree Dust, Professional Flowers、Starling Murmurations、RxRy、Wellington Downsの名義で作品をリリースしてきた。2014年、Sageはシカゴに移り、シカゴ芸術学院の大学院に進学し、ライティングとインターメディア・アートを学ぶ。自宅のスタジオでの練習から、Sageは合成の世界にのめり込み、多くの一般的な手法やスタイルに手を出し、しばしばフィールド・レコーディングやシンセサイザーやエレクトロニクスで製作したサウンド・デザイン要素を取り入れた。Patient Sounds、Geographic North、Florabelle Records、Noumenal Loom、Orange Milk、Moon Glyph、Past Inside The Presentなどの著名な実験的レーベルから、着実に自信のプロジェクトを発表し、The WireやNPRなどのでも注目されるようになる。
現在はDavid Carriere、Jane Penny、Marta Cikojevic、Riley Fleckによる4人編成で活動しているモントリオール出身のソフト・ポップ/ロック・バンド、TOPS。時代を超越した音楽を生み出し、即時性と深みを巧みに融合させるスタイルをみせている彼らがGhostly Internationalと契約しリリースされるニュー・フル・アルバムにして通算5作目『Bury the Key』。常に洗練され、紛れもなくメロディック・クラフトの達人でありながら、進化を恐れず、時にはよりダークなトーンに挑戦し続ける彼らのこのアルバムは、かつて封印した感情と向き合い、幸福、快楽主義、そして自己破壊の間で揺れ動く様を描いていまる。架空の人物が登場することが多い一方で、輝きとグルーヴ感に溢れたセルフ・プロデュースによる楽曲は、親密さ(バンド内外)、有害な行動、薬物使用、そして終末的な恐怖といった個人的な観察から生まれています。レコーディングが始まると、彼らは変化に気づき、より積極的になり、冗談めかして「邪悪なTOPS」と名付けたとJaneは言う。「私たちはいつも、カナダ風に言えば、甘ったるいとか、ナイーヴとか、フレンドリーとか思われているけど、今回は周りの世界を真に表現するという挑戦をしたんだ」。迫り来る時代と、歳月を経て得た明晰さというレンズを通して、TOPSは『Bury the Key』でより邪悪なディスコの領域へと足を踏み入れ、彼らのソフト・フォーカスなソフィスティ・ポップに鋭いエッジを与えている。
TOPSのヴォーカルは、ソングライター、プロデューサー、フルート奏者、そしてシンガーとして活躍するJane Penny。静かな歌声は、驚くほど幅広い表現力を秘めており、Men I TrustからClairoまで、現代の偉大なアーティストたちの多くに影響を与えてきたことは間違いない。彼女の歌詞のテーマは、権力のダイナミクス、欲望、注目されることへの葛藤、報われる愛など、時代を超えて色褪せることがない。2024年に初のソロ・リリースを控えていた彼女は、以前住んでいたモントリオールの地域に一歩賢くなって戻ってくる。盟友David Carriereと共作した彼女のソロ楽曲に登場する、洗練された車やどこまでも続くハイウェイは、TOPS名義での新作である本作に確かな深みを増して反映。作詞家、プロデューサー、そしてギタリストとして、鮮烈なフックとそれに見合う飽くなき推進力を持つ(彼の別のプロジェクトはDVC RefreshmentsやBorn At Midniteなどがある)Davidは、音色とテクスチャーの技巧に新たな息吹を吹き込んでいる。バンド結成当初からドラマーを務め、他者のプロジェクト(最近ではジェシカ・プラットのライヴ・バンド)でも活躍する彼は、より高いテンポとハードなリズムに挑戦し、その活躍の幅を広げている。 2017年、金字塔的アルバム『I Feel Alive』の前にTOPSに加入し、2022年にはDavidのプロデュースによるMarci名義でのデビュー作をリリースしたキーボード奏者のMarta Cikojevicは、本作でその役割をさらに拡大。作曲プロセスに参加し、Janeのヴォーカル・ラインの一部をバックアップし、アルバムで最も豊かで満足感のあるパートを演出している。
2023年の冬に曲作りが始まり、JaneとDavidはデモに取り組み、その夏にはバンドのスタジオで、ゆるやかな共同セッションを重ねていき、発展させていくことになった。スタジオの雰囲気は、1970年代の税務署を彷彿とさせるようなものだったようで、様々なペルソナやキャラクターが形作られていった。シンセサイザーを主体とした「Wheels At Night」では、Janeは当初、未亡人(「ここには私の服の隣にあなたの服以外何も残っていない」)をイメージしていたが、その後、より普遍的な喪失感へと展開させ、最終的には自分自身と向き合い、孤独の苦しみを歌った別れの曲へと昇華させた。Davidのギター・ラインがブリッジを彩り、語り手が私たちを孤独な道へと連れ出す。「ICU2」はピュアないちゃつきを湛えた曲で、JaneとMartaの遊び心のあるやり取りから生まれた、TOPSの定番アップテンポ・ナンバーだ。しかし、グルーヴの奥底には、クラブ・シーンが隠れており鏡の迷宮を暗示している。「まるで悪ふざけのようで、幻想的で、暗闇の中で何かを探しているところを捕まえられたような」とJaneは言い、1969年の『真夜中のカーボーイ』(Midnight Cowboy)のパーティー・シーンに見られるアート・ハウス風サイケデリックを想起させる。
アルバムが進むにつれて、邪悪な『Bury the Key』の影はより鮮明になる。中盤の「Annihilation」がまさにヒール・ターンと言えるだろう。この曲は非伝統的な試みから生まれた。Rileyはドラムから曲を組み立てるという課題に挑み、その結果、バンドは高速ハイハット、フィルイン、そして四つ打ちのビートのフィールドを築き上げた。坂本龍一とシネイド・オコナーの死後まもなく書かれたこの曲は、徐々に消え去りつつある文化的神話(「偉大な男も女も皆死ぬ、友よ」)へのオマージュであり、洗練された未来的なコーラスはYMOを彷彿とさせる。超絶技巧を凝らした「Falling On My Sword」は、アレンジの視点からDavidのハードコア音楽への関心を表現しているが、「最終的には自分たちのスタイルで演奏した」と彼は語る。「私たちは常に変化や再発明という考えに抵抗してきた」とJaneは語る。「でも、自分たちのサウンドの限界を押し広げ、これまでに作ったことのない何かに挑戦したかった。もっとハードにやりたかったんだ」。歌詞は、私たちをしばしば満たされないままにしてしまう社会規範や大人の制度の追求に疑問を投げかけている。
アルバムの中心となるのは「Chlorine」という「空虚な愛」のバラードで、毒素、化学物質に満ちたウォーター・パークの懐かしさ、不健康なバーの夜の安らぎを交錯させる。「成長過程での感情の幅、私たちが経験する事柄、自分を満たす方法が、同時に私たちを破壊する要因にもなるかもしれない」とJaneは説明する。この考えの重みは、『Bury the Key』全体に感じられる。このアルバムは、荒削りから磨き上げられた多面的なアルバムだ。痛みと喜び、そして生きていること、そして現代を代表するバンドの一つであることの複雑な喜びに根ざしている。
TRACK LIST:
01. Stars Come After You
02. Wheels at Night
03. ICU2
04. Outstanding in the Rain
05. Annihilation
06. Falling on my Sword
07. Call You Back
08. Chlorine
09. Mean Streak
10. Your Ride
11. Standing at the Edge of Fire
12. Paper House