Author: PLANCHA

天空のコラボレーション | Julianna BarwickとMary Lattimore盟友2人による共作アルバム『Tragic Magic』が日本盤リリース決定

Photo by Rachael Cassells

Photo by Rachael Cassells

2019年に共に来日も果たしたアンビエント/エクスペリメンタル・ミュージックを代表する二人の音楽家、Julianna Barwick と Mary Lattimore による初のフル・コラボレーション・アルバム『Tragic Magic』が完成。
日本盤CDが2026年2月20日にリリースされることが決定(デジタル版は1月16日にリリース)。

長年にわたり互いの作品やツアーで交流を重ねてきた二人にとって、本作は“必然的に辿り着いた”共同制作と言える作品だ。録音はパリ・フィルハーモニー内「音楽博物館(Musée de la Musique)」の歴史的楽器コレクションへの特別アクセスを得て行われ、ヴィンテージ・ハープ、アナログ・シンセサイザー、声のレイヤーが有機的に重なり合う、きわめて親密で霊的とも言えるサウンドスケープが立ち上がっている。

先行シングル「Perpetual Adoration」「Melted Moon」はリリース直後から世界各国で高い評価を獲得。NPR All Songs Considered は「これまで実現していなかったことが不思議なほど完璧な組み合わせ」と評し、BBC 6 Musicのローレン・ラヴァーンは「時間をかけて開かれていく、絶対的にグロリアスな楽曲」とコメント。Uncut、Mojo(4つ星)、The Guardian、The Quietus、Pitchfork、Resident Advisor など主要メディアが相次いで本作を取り上げ、2026年を代表するアンビエント/実験音楽作品の一つとして位置づけている。

また Spotify「New Ambient」「Women of Ambient」、Apple Music「New Music Daily」など主要なデジタル・プラットフォームのプレイリストへの大量露出に加え、KEXP、BBC、NPR、WFMU、France Inter ほか各国ラジオ局でのヘビーローテーションも記録。2025年秋から2026年春にかけては、Le Guess Who?、Big Ears Festival を含む北米・欧州大規模ツアーが組まれ、ライブ面でも本作の評価を決定づけている。

『Tragic Magic』というタイトルが示す通り、本作は喪失、祈り、記憶、再生といったテーマを内包しながら、決して重く閉じた作品ではない。音が音を癒やし、共鳴が新たな光を生む。その過程そのものを丁寧にすくい上げた、二人のキャリアにおいても極めて重要な一作となった。

 

Julianna Barwick & Mary Lattimore
new collaboration album “Tragic Magic”



Artist: Julianna Barwick & Mary Lattimore

Title: Tragic Magic
Label: PLANCHA / InFiné

Cat#: ARTPL-250
Format: CD / Digital
CD Release Date: 2026.02.20 (CD) / 2026.01.16 (Digital)
Price(CD): 2,300 yen + tax

※解説付き予定


声とハープが天空で溶け合うような、静かで深い「魔法」の記録。

Julianna BarwickとMary Lattimore… 現代アンビエント/エクスペリメンタル・ミュージックを代表する二人のアーティストによる共作アルバム『Tragic Magic』は、それぞれが長年培ってきた表現を自然な形で重ね合わせた、極めて親密で完成度の高い作品である。

重ねられる声のレイヤーによって霊的とも言える空間を描いてきたJulianna Barwickと、ハープという伝統的な楽器を用いながら独自の感性で現代的な音世界を切り拓いてきたMary Lattimore。
本作では、どちらかが前面に出るのではなく、互いの音が静かに呼応しながら、一つの風景を形作っていく。

Juliannaのヴォーカルは言葉を超えた響きとして漂い、Maryのハープは旋律というよりも光や影のように空間に差し込まれる。
その音楽は、劇的な展開や強い主張を避けながらも、確かな感情の揺らぎと深い余韻を残す。
アルバムタイトルにある「Tragic(悲劇的)」と「Magic(魔法)」という相反する言葉は、本作の持つ二面性を象徴している。

楽曲は、静謐でありながら決して無機質ではない。
呼吸のようなリズム、音の残響、間(ま)の使い方が丁寧に設計されており、リスナーは音楽を「聴く」というよりも、その中に身を置く感覚を味わうことになる。
それは、瞑想的でありながら感傷に流れすぎない、非常にバランスの取れた表現だ。

それぞれがソロ作品で築いてきた評価やスタイルを持ちながら、『Tragic Magic』では「共に演奏すること」そのものが核となっている。
即興性と慎重さ、親密さと距離感。その絶妙な関係性が、本作に独特の緊張感と温度を与えている。

静かな音楽を愛するリスナーはもちろん、アンビエントやニューエイジ、現代音楽の文脈に親しんできた人々にとっても、長く寄り添う一枚となるだろう。
『Tragic Magic』は、過剰な説明を拒みながらも、聴く者それぞれの内側に異なる情景を呼び起こす、稀有なコラボレーション作品である。

Tracklist:
1. Perpetual Adoration
2. The Four Sleeping Princesses
3. Temple Of The Winds
4. Haze With No Haze
5. Rachel’s Song
6. Stardust
7. Melted Moon

All tracks written, composed, arranged, produced and performed by Mary Lattimore & Julianna Barwick. Except Rachel’s Song composed by Vangelis and Temple of the Winds written by Roger Eno.

Jacob Hochbrücker harp (Germany, 1728), Érard single movement harp (France, 1799), Érard double-movement harp (France, 1873), tuning bells of Pleyel chromatic harp (France 1900) performed by Mary Lattimore.
Roland corporation JUPITER analog synthesizer (Japan, circa 1982), Sequential Circuits PROPHET-5 analog synthesizer (USA, circa 1975) performed by Julianna Barwick

Sound recording, additional production and mixing by Trevor Spencer
Mastered by Heba Kadry

 

Julianna Barwick & Mary Lattimore – Live Session From San Diego, CA

Julianna Barwick & Mary Lattimore – Perpetual Adoration (Live Session From San Diego, CA)
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=KPEXlMIcFBs&list=RDKPEXlMIcFBs&start_radio=1

Julianna Barwick & Mary Lattimore – Melted Moon (Live Session From San Diego, CA)
YouTube: https://youtu.be/el8M-l41O90?si=2BPKCKhf4Pj8whDP

 

Julianna Barwick & Mary Lattimore:

Julianna Barwick(ヴォーカル)とMary Lattimore(ハープ)によるデュオ・プロジェクト。
それぞれがソロ・アーティストとしてアンビエント/エクスペリメンタル・ミュージックの分野で高い評価を受ける中、本プロジェクトでは声とハープというミニマルな編成を軸に、より親密で即興性を伴う音楽表現を追求している。

重なり合う声のレイヤーと、空間に溶け込むようなハープの響きは、旋律やリズムを前面に押し出すのではなく、音の余韻や間(ま)を大切にしながら、一つの風景を静かに描き出す。
アンビエント、ポスト・クラシカル、現代音楽の文脈を横断しつつ、感情の揺らぎや人間的な温度を内包したその音楽は、リスナーを深い内省へと導く。

『Tragic Magic』は、このデュオとしての表現が結実した初のフル・アルバムであり、二人の長年にわたる創作活動と相互理解が生み出した、静かで特別なコラボレーション作品である。


David MooreがRVNG Intl.より1月30日にリリースするピアノ・ソロ・アルバム『Graze the Bell』から新たなシングル「Offering」が映像とともに公開

Photo Credit: Nina Gofur

Photo Credit: Nina Gofur

Bing & Ruthのメンバーとして、そして近年はSteve Gunnとのコラボレーションでも知られるDavid Mooreがニューヨークの名門RVNG Intl.より1月30日にリリースするピアノ・ソロ・アルバム『Graze the Bell』から新たなシングル「Offering」が、映像とともに公開。

『Graze the Bell』は、Mooreが長年にわたるBing & Ruthでの活動や数多くのコラボレーションを経て、再びソロ・ピアノ表現へと立ち返った作品集。静かな反復、間、余韻を重視した演奏が特徴で、内省的でありながらも強い集中力を感じさせる内容となっている。

「Offering」は、変化と挑戦の時期に生まれた楽曲で、祈りのようなフレーズがゆっくりと展開していく。ピアノの響きそのものに意識を向けた、極めてシンプルで誠実な一曲。

ミュージック・ビデオはNick Vranizanとの共作。アルバム・アートワークに用いられているクロスステッチの質感や構造を映像表現へと落とし込んだ内容となっている。制作にあたって生成AIは使用されておらず、手作業と発想の積み重ねによって完成させた映像作品。

 

David Moore new single “Offering” out now

Artist: David Moore
Title: Offering
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/grbovdr

David Moore – Offering (Official Video)  

YouTube: https://youtu.be/aDx1yv5QUAI?si=18xGrXNMs9954D4d
Directed by Nick Vranizan

 

David Moore’s new album “Graze the Bell” out January 30, 2026


Artist: David Moore
Title: Graze the Bell
Label: PLANCHA / RVNG Intl.

Cat#: ARTPL-249
Format: CD / Digital
CD Release Date: 2026.01.30
Price(CD): 2,200 yen + tax

※ボーナス・トラック1曲収録
※解説付き予定


長いアンサンブル活動を経て、再びピアノの“原点”へ帰還
魂を揺さぶる魅惑的なソロ・ピアノ曲集であり、David Mooreの芸術性を最も凝縮した作品

Bing & Ruthのメンバーとして、そして近年はSteve Gunnとのコラボレーションでも知られるDavid Mooreが、“最も純粋な自分自身”として向き合ったピアノ・ソロ作品が完成。
Bing & Ruthはこれまでの数々の作品において、しばしばその形態とサウンドを変化させてきた。最大15名編成まで膨らんだ時期もあれば、最終的にトリオとしての在り方に到達したこともある。最新作『Species』ではムーアのファルフィサ奏法が前面に押し出され、同名のEPではその楽曲を彼自身がソロで再解釈した。この長い「精製」のプロセスの中心には、常にムーアによるピアノへの作曲と理解が存在している。20年にわたるアンサンブルでの活動を経て登場した『Graze the Bell』は、ムーアにとっての“帰還”とも言える作品だ。それは特定の場所や時間への回帰ではなく、それらを超えた、より内側にある光の中心へ帰っていくような瞬間である。

『Graze the Bell』に収録された楽曲のいくつかは、当初Bing & Ruthのアルバムとして構想されていたが、最終的にはソロ作品として再構築されることになった。ムーアはピアノのみを用い、これまで長年培ってきた手法を拡張しようと試みた。「成長し続けたいんです。そして固定化した考え方に挑みたい」と彼は語る。実験精神を積極的に受け入れ、演奏により深い“存在感”を宿すために、彼はピアノとの向き合い方、そして人生そのものを見つめ直した。ムーアの音楽は譜面に基づき、人生からの経験を取り込んでいるが、そのインスピレーションの源はより言語化しがたい領域にある。彼はその“捉えがたい何か”を意識的に育み、トランスのような状態へ自然に入る力を身につけたという。ムーアはその意図をもってピアノの前に座れば、「数秒のうちに完全にそこへ行ける」のだと語る。

本作は、一音目から最後の音まで、ニューヨーク州マウント・ヴァーノンのOktaven Audioで録音された“獣のような”1987年製ハンブルク・スタインウェイモデルDの息を呑むような響きを基盤としている。それは部分的に、時に“沈黙に触れる”ような彼の繊細な奏法に由来する。ムーアの優美なアプローチは音に空間を与え、多くの奏者が見過ごしてしまうようなピアノの色合いを浮かび上がらせる。これらのニュアンスは、グラミー受賞エンジニアBen KaneとアシスタントOwen Mulhollandによる録音・プロダクションによってさらに引き出された。彼らはムーアの実験的姿勢を後押しするように、ピッチ補正ソフトウェアをあえて“誤用”し、ピアノの音域ごとの音色をオーケストレーションする手法を用いた。

「graze the bell(ベルにかすかに触れる)」というフレーズは、数年前に突然ムーアの心に浮かび、詩的な響きを伴って彼の中に留まり続けた。人生はいつか何かに到達する「頂点」に向かう旅だという考えを、彼は長い間信じつつも次第に疑うようになった。いま彼は、“いまここにいること”にこそ確かな実感を見出している。「山頂なんて存在しないし、そこへ続く道もない。ただ、運が良ければ、時折ベルにふれることができるかもしれない――それだけなんです」と彼は綴る。その気づきはピアノ演奏にも取り込まれている。今作では、自身の癖、そして楽器そのものの癖をも受け入れ、微細な音、素朴なジェスチャー、幸運な偶然を大切にしている。

カバーに用いられている刺繍は、ノースカロライナ州の海岸で凧揚げをする妻を描いたものだ。アルバムのミックス作業と並行し約10カ月をかけて一針ずつ縫われており、その期間に起きた個人的な出来事――悲しみと希望の両方――が、その手仕事に織り込まれている。またムーアは双極性障害とも向き合っており、このアルバムの制作と刺繍の作業は、彼にとって瞑想的で癒やしをもたらす営みでもあった。

ムーアのピアノ演奏は、彼自身の経験を示す“隠された地図”のようなものであり、反復するメロディは、音階の空間をめぐりながら彼自身、そして聴き手を導いていく。ムーアの音楽は内に眠る感情を揺り動かし、私たちを共有する中心へと呼び戻す。人間性が日常的に揺さぶられ、損なわれてしまう時代にあって、『Graze the Bell』は私たちが本来の「帰るべき場所」と知っている心の響きを呼び覚ます。

Tracklist:

01. Then a Valley
02. Graze the Bell
03. No Deeper
04. Offering
05. Will We Be There
06. All This Has to Give
07. Rush Creek
08. Being Flowers
09. Pointe Nimbus (Bonus Track)

 

David Moore:

David Mooreはニューヨークを拠点とするピアニスト/作曲家で、ミニマル・アンビエントを基盤に独自の音楽世界を築いてきた。2006年に自身のアンサンブルBing & Ruthを結成し、最大15名編成まで拡張するなど多様な編成を経ながら、反復構造、空間性、テクスチャを重視した作曲手法を発展させてきた。2014年の『Tomorrow Was the Golden Age』が高い評価を得た後も、アンサンブルとソロの双方で活動を続け、近年はSteve Gunnとの共同作品やCowboy Sadnessでの演奏など幅広いプロジェクトに参加している。

Mooreの創作の核には常にピアノがあり、譜面に基づく構築性と、集中状態の中で生まれる即興的な感覚が共存する。音の揺らぎや沈黙に近いニュアンスを積極的に取り込みながら、自身の内面と向き合うようなアプローチを追究してきた。

現在は長年の探求を踏まえ、再びピアノを中心に据えた表現へ回帰しており、その流れの中でソロ・アルバム『Graze the Bell』が生まれている。


Lucrecia DaltがY La BambaのLuz Elena Mendoza、Niño de Elche、そしてVictor Herreroとともに最新アルバム収録の「caes」を再構築した新たな作品「caes (a suerte)」を突如発表!

Photo by Louie Perea

Photo by Louie Perea

現在数々の2025年の年間ベストに選出されている、デヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎えたLucrecia Daltのニュー・アルバム『A Danger to Ourselves』に収録されている「caes」をY La BambaのLuz Elena Mendoza、Niño de Elche、そしてVictor Herreroとともに再構築した新たな作品「caes (a suerte)」を突如発表しました。
すでに公開されているオリジナル版、そしてNick Leonによるリミックスを加えた3曲入りEPとしてデジタル・リリースされています。

「もし落ちるとしたら、あなたはどこに落ちる?」

『A Danger to Ourselves』が残した緊張と余韻、その影から立ち現れるようにして生まれたのが、Y La BambaのLuz、Niño de Elche、そしてVíctor Herreroによって再構築された新たな作品「caes (u suerte)」である。

Camille MandokiをフィーチャーしたDaltの不協和で陶酔的なオリジナルをいったん解体し、「caes (u suerte)」はその核心だけを丁寧にすくい取る。幾重にも折り重なる魅惑的なヴォーカル・ハーモニーが楽曲を包み込み、質感を帯びたミニマルなパーカッションの断片と、Herreroによる静謐で注意深いアコースティック・ギターが、確かな重心を与えていく。そこに立ち上がるのは、過剰な装飾を排した、親密で張りつめた音の空間だ。

「caes (a suerte)」は、危うさとともに歩んできたLucrecia Daltの一年を静かに締めくくる“ブックエンド”のような存在でもある。本作は、2026年3月・5月・6月に予定されているUS、UK、ヨーロッパ・ツアーの発表と呼応しながら、同時に彼女自身の誕生日という私的な時間とも重なり合う。公と私、構築と解体、その境界線に立つ一曲と言えるだろう。

今、耳を澄まし、その落下をたどってほしい。
最もリアルで、最もシュールな場所へと届く音に身を委ねながら。

 

Lucrecia Dalt New EP “caes” out now


Artist: Lucrecia Dalt
Title: caes EP
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital EP
Listen / Buy: https://orcd.co/08nqvrx

Track List:
01. Lucrecia Dalt – caes (featuring Camille Mandoki)
02. Y La Bamba, Niño de Elche, Victor Herrero, Lucrecia Dalt – caes (u suerte)
03. Lucrecia Dalt – caes (Nick León Dub)

Music by Lucrecia Dalt and Alex Lazaro
Mastered by Heba Kadry, NYC (track 1) and Kassian Troyer, Berlin (tracks 2 & 3)
All instruments performed by Lucrecia Dalt except:
Percussion by Alex Lazaro
Electric bass and contrabass by Cyrus Campbell

Lucrecia Dalt, Y La Bamba, Niño de Elche, Victor Herrero – caes (u suerte) [Official Audio]

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=if4aj9Obzlo

 

Lucrecia Dalt New Album “A Danger to Ourselves”


Artist: Lucrecia Dalt
Title: A Danger to Ourselves
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-238
Format: CD / Digital

※日本盤ボーナス・トラック2曲収録
※解説:野田努 (ele-king)
※歌詞・対訳付き

Release Date: 2025.09.05
Price(CD): 2,200 yen + tax


2022年にリリースした『¡Ay!』が英『The Wire』で年間ベスト1位を獲得し、MUSIC MAGAZINE誌でもロック(ヨーロッパほか)で年間ベストに選出されるなど一躍注目を集めたコロンビア出身、ドイツはベルリンをベースに活動しているエクスペリメンタル・アーティスト、Lucrecia Daltの待望の新作アルバム。
デヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎え、フアナ・モリーナやCamille Mandoki等豪華ゲスト陣も参加し、集大成であると同時に出発点とも言える新たな傑作が完成。

コロンビアのペレイラで生まれたルクレシア・ダルトは、音楽愛好家の家庭で育ち、9歳のときにギターを手にするよう勧められた。ダルトはこの創造的な衝動に従い、コンピュータを使った制作に魅了され、土木技師としての急成長のキャリアを捨て、メデジンからバルセロナ、そして最終的にはベルリンへと移り住み、そこで自身の独特で冒険的なサウンドを発展させた。彼女の作品は、RVNGに移籍してから『Anticlines』(2018年)、『No era sólida』(2020年)、そして2022年に発表した特筆すべき画期的なSFボレロ・アルバム『¡Ay!』の3作をリリースし、その過程で、『On Becoming a Guinea Fowl』(2024年)、HBOのシリーズ『The Baby』(2022年)、そして近日公開のサイコホラー『Rabbit Trap』などの映画音楽制作にも活動の幅を広げ、サウンド・インスタレーションやパフォーマンスでは、彼女の光り輝く転調と独特で進化するヴォーカル・アプローチを披露している。

このたびリリースとなる『A Danger to Ourselves」は、ダルトが『¡Ay!』のツアー中の生活や新しい人間関係の形成期に書き留めた断片的な宣言から生まれた。彼女は2024年1月に、これらの親密な断片を音楽的な構成に結晶化させ始め、目的のある曲群を徐々に形にしていった。アルバムのサウンド構成は、コラボレーターのAlex Lázaroが提供するダイナミックなドラム・ループを基盤としており、そのパーカッシヴなバックボーンは、『¡Ay!』と同様、ダルトの重層的なヴォーカルのキャンバスとなった。従来のメロディックな構造に従うのではなく、このアルバムはベース・ライン、リズム、作曲デザインの相互作用によって音楽性を生み出している。大胆なプロダクションの選択と緻密なレコーディング・テクニックによって、声と楽器が新たな深みと輝きをもって調和する、ダルトの妥協のない音の明瞭さへの探求を明らかにしている。

明確に反コンセプチュアルな『A Danger to Ourselves』は、ダルトが音楽そのものに遮るもののない集中を導く詩的な本能であり、楽曲の枠組みを超越するボーカルと、原始的でロマンチックなスリルのきらめく響きを探求している。ダルトの細部への明晰なこだわりは、あらゆる小節に感じられ、献身的な姿勢が同心円を描きながら、個人的なものと霊的なものを統合する場を形成している。直感的な実験から生まれたこのアルバムは、シンプルなジェスチャーと複雑な構成を用いて、スペイン語と英語の間を伸縮自在なサウンドスケープと魅惑的な聴覚コラージュを通して行き来する「divina」のように、彷徨うようなラインを織り成している。

アルバム・タイトルは、デヴィッド・シルヴィアンの歌詞「cosa rara」から生まれたもので、人生の儚さ、愛の揺らぎ、奇跡への憧れを象徴的に映し出している。『A Danger to Ourselves』は、こうした超越的な状態を映し出し、人間の複雑な絡み合い、より啓示的な内面世界へ向かうドーパミン・スパイラルや一般的な経路からの解放への願望を屈折させている。高名なアーティストが多数参加したコラボレーションのコラージュであり、シルヴィアン自身も『A Danger to Ourselves』で共同プロデューサーとミュージシャンの二役を演じた。また、フアナ・モリーナが「the common reader」で共同作曲と演奏を、Camille Mandokiが「caes」でヴォーカルを、Cyrus Campbellがエレクトリック・ベースとアップライト・ベースの基礎を、Eliana Joy が複数のトラックでバッキング・ヴォーカルとストリングス・アレンジを担当している。

『A Danger to Ourselves』の光り輝く深淵において、ダルトは、音の錬金術を通して個人的なものが普遍的なものとなる深遠な変容を演出している。このアルバムは、集大成であると同時に出発点でもあり、彼女のこれまでの実験的な旅が、驚くほど親密でありながら広大なものへと収束する入り口でもある。感情的な啓示が網の目のように張り巡らされており、各曲は、ダルトの歌声が新たなハーモニーの領域を超えて啓示を体現する、脆弱性の的確に示している。従来の境界を超えた直感の生きた記録を創り上げ、音楽が鏡となり窓となる世界へと導いている。


TRACK LIST:

01. cosa rara (ft. david sylvian)
02. amorcito caradura
03. no death no danger
04. caes (ft. camille mandoki)
05. agüita con sal
06. hasta el final
07. divina
08. acéphale
09. mala sangre
10. the common reader (ft. juana molina)
11. stelliformia
12. el exceso según cs
13. covenstead blues
14. mabe fratti − cosa rara (en la playa) *
15. cosa rara (matias aguayo’s dopamine dub) *

* = Bonus Track

Concept by Lucrecia Dalt
Music by Lucrecia Dalt and Alex Lazaro
Produced by Lucrecia Dalt and David Sylvian
Mixed by David Sylvian
Mastered by Heba Kadry, NYC
Lacquers cut by Josh Bonati *Vinyl only credit
Cover photo by Yuka Fujii
Photo retouching by Louie Perea
Design by Will Work For Good

Lyrics and vocals by Lucrecia Dalt except “cosa rara” by Lucrecia Dalt and David Sylvian; and “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “caes” by Lucrecia Dalt and Camille Mandoki
Backing vocals on “amorcito caradura”, “no death no danger” and “covenstead blues” by Eliana Joy
Backing vocals and howls on “divina” by Alex Lazaro

All instruments performed by Lucrecia Dalt except:
Percussion by Alex Lazaro
Feedback guitar on “cosa rara” by David Sylvian
Electric guitar solo on “covenstead blues” by David Sylvian
Electric guitar on “stelliformia” by Alex Lazaro
Electric bass and contrabass by Cyrus Campbell except
Electric bass on “mala sangre” by William Fuller
Soprano and tenor saxophone by Chris Jonas
Violin by Carla Kountoupes and Karina Wilson
Cello by Amanda Laborete
Palms and finger snaps by David Sylvian and Alex Lazaro

All instruments and vocals recorded by Lucrecia Dalt except strings recorded by Marc Whitmore and vocals by David Sylvian, Camille Mandoki and Juana Molina by the artists themselves.
String arrangements in “hasta el final” by Lucrecia Dalt and Eliana Joy

 

 


AREA 3 “View” [ARTPL-245]

Artist: Area 3
Title: View
Cat#: ARTPL-245
Format: CD / Digital

※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※解説付き

Release Date (CD): 2025.12.19
Price(CD): 2,200 yen + tax


聴くたびに新しい風景が立ち上がる ―静けさの中で“景色”が生まれる、Area 3の最新作。
Khotin の別名義が描く、極上の内省アンビエント。ついに日本盤独自CD化。

Area 3 は、カナダ・エドモントンを拠点にするプロデューサー Dylan Khotin-Footeが、Khotin名義とは異なる文脈でより瞑想的・内省的なサウンドを追求するための別名義である。2025年9月5日、Khotin Industries からカセットとデジタルでリリースされた『View』は同名義における3作目のアルバムとして位置づけられ、6曲で構成されている。

全編には柔らかく揺れるシンセのレイヤー、湿度を帯びたフィールド・レコーディング的な素材、控えめながら独特の色彩を持つ電子音が溶け合い、メロディやビートが前面に出過ぎることなく、静かに風景が移り変わるようなアンビエント/ニューエイジ寄りの音像が形成されている。Khotin名義のダンス・ミュージック的アプローチとは距離を置き、視覚的・静謐・抽象的なアトモスフィアに軸足を置いた構成が特徴で、各曲が短編映像のように緩やかに場面を切り替えながらも、作品全体としてひとつの心象風景を描くような流れが作り出されている。

マスタリングは Nik Kozubが担当し、海外インディ・ショップに加えて日本のレコード店でも取り扱われるなど、カセット作品ながら確かな評価を獲得してきた。今回の日本盤CDでは、オリジナルの6曲に加えてボーナス・トラックを追加収録した国内独自仕様としてリリースされ、カセットでは得られなかったアーカイヴ性と長時間鑑賞のしやすさを備えた新たなエディションとなる。


TRACK LIST:

1. Forest Science Department
2. P-plunky
3. Deep Seek
4. Grass Turns To Sponge
5. Newcomer Map
6. Loss Day
7. Pluck III (Bonus Track)

* Music W&P by Dylan James Khotin-Foote as Area 3
* Recorded in Edmonton (mostly while in bed Zzz…)
* Mastered by Nik Kozub, simply the best!
* Khotin Industries 2025 (KIND 012)


FABIANO DO NASCIMENTO “Cavejaz” [ARTPL-248]

Artist: Fabiano do Nascimento
Title: Cavejaz

Cat#: ARTPL-248
Format: CD / Digital

※日本独自CD化
※解説付き

Release Date (CD): 2025.12.12
Price(CD): 2,200 yen + tax


ブラジル、東京、ロサンゼルス —
異なる土地と時間をつなぐ、Fabiano do Nascimentoの有機的ミニマリズム。
UAKTIのPaulo Santos、U-zhaanらを迎えた最新作『Cavejaz』、PLANCHAより日本独自CDで登場。

リオデジャネイロ出身で現在はロサンゼルスと東京を拠点に活動するブラジリアン/アメリカンのギタリスト、作曲家、アレンジャーで、多弦ギターや独自のチューニングを用い、アフロ・サンバ、フォルクローレ、ショーロなどブラジル伝統音楽のルーツを軸に、ジャズ、実験音楽、エレクトロニカの質感を自在に横断する音楽性で広く支持されているFabiano do Nascimentoのニュー・アルバム。

本作は、ブラジルの南東部ミナスジェライス州のシンガー・ソングライター Jennifer Souzaとの交流を起点に、ブラジルを代表するグループUAKTIのメンバーとして知られる音楽家Paulo Santosとの共演を実現。PVC パイプやガラス、水、スポンジといったあらゆる素材で自作楽器を生み出し、Paul Simon、Philip Glass、Milton Nascimento らと共演してきたUAKTIの精神が、本作の要となっている。

2024年8月、FabianoとPauloはプロデューサーLeo Marquesと共にベロオリゾンテのStudio Ilha do Corvoでレコーディングを開始。しかし、同時期にブラジルでは史上最大規模の森林火災が発生し、煙害が南米各地へ広がる危機的状況に直面する。限られたセッションの中、「Leo が録音を始め、僕たちはただ自由に演奏した」とFabianoが語るように、その瞬間の直感が音楽へと刻み込まれた。

アルバム後半は日本で制作されている。東京の能楽堂で日本の音楽家U-zhaanと共演し、その公演をライブ録音。さらに大磯のSALOでのソロ録音、そして長年のコラボレーターであるパーカッショニストRicardo “Tiki” Pasillas(Salvador)とのロサンゼルスでのライブ音源が収録され、多層的な時間と空間が一枚の作品に溶け合う。

ギターとハンドメイドのパーカッションを軸に、U-zhaan によるタブラ、Tiki のハイブリッド・パーカッションが加わることで、有機的なパフォーマンスとミニマルな編成が一体となった独自のサウンドスケープを形成している。

アルバムタイトル『Cavejaz』は、作品全体のフィーリングから生まれたもので、親交のある Sam Gendel による提案。洞窟の奥から響き出る、水や有機的要素の気配を帯びた音楽をイメージしたという。


TRACK LIST:

01. Aguas Serenas (ft. Jennifer Souza and Paulo Pantos Uakti)
02. Creature ethereal (ft. Paulo santos Uakti)
03. Olhos luz (ft. U-zhaan)
04. Tranquilo (ft. U-zhaan)
05. Vila
06. Maracatu (ft. Paulo Santos Uakti)
07. Velho Templo (ft. U-zhaan)
08. Cavejaz
09. Novo dia
10. Trilobita
11. Salvador
12. Berimba-guitar
13. Tranquilo (ft. Paulo Santos Uakti)

Fabiano do Nascimento – 7-string Guitar, 8-string Guitar, Electronics
Paulo Santos (Uakti) – Handmade Percussion
U-Zhaan – Tablas
Ricardo ‘Tiki’ Pasillas – Percussion
Jennifer Souza – Vocals

Recorded in 2024 at Estúdio Ilha Do Corvo in Belo Horizonte,
Tessen-Kai Noh Theater in Tokyo (Live) and Salo Studio in Oiso
Mixed by Leonardo Marques and Hiroshi Iguchi
Mastered by Matthewdavid McQueen
Artwork by Sam Gendel

All songs by Fabiano do Nascimento except ‘Salvador’ by Egberto Gismonti


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