詩やフィールド・レコーディングを織り込んだエレクトロ・アコースティック作品で独自の表現を築いてきたFélicia Atkinsonと、映像的な感覚とオーケストラルな響きを横断しながらアンビエントの地平を拡張してきたChristina Vantzouが、4/10にRVNG Intl.が企画する現代コラボレーション・シリーズ「Reflections」の第3弾としてリリースする『Reflections Vol. 3: Water Poems』からセカンド・シングル「Shines for Eternity」が公開。
『Reflections Vol. 3: Water Poems』で、Félicia Atkinson と Christina Vantzou は、友情と大気のように漂う芸術性を儀式的な集中へと昇華させている。スポークンワードが立ち上げる環境と、オーケストラ的な想像力が支流のように流れ込み、ひとつの大きな流れとして結晶する。その結果生まれたのは、海、空、石に根ざした、夢見心地の楽曲とサウンドスケープのコレクションだ。エレクトロアコースティックな楽器編成、声、そして環境音を通して、『Water Poems』は、日常の親密さと、あらゆる生命がほどけ出てくる海の謎のあいだにあるような、潜在意識の空間へとリスナーを誘う。
「Shines for Eternity」は、夢のような入浴、あるいは浄化の儀式を想起させる。柔らかな水しぶきや滴りがもたらす馴染み深い親密さは、ささやくような言葉、ピアノ、ベル、シンセが織りなす網目の中で抽象化されていく。電子的な処理が幻想性をいっそう深め、Atkinson と Vantzou が巧みに立ち上げる“耳のためのシネマ”が広がる。翼のある生き物が、見えない泉の水面をかすめるように飛び、サウンドスケープの上を横切っていくかのようだ。「私たちは水である」と、オラクル(神託者)が断言する。
Félicia Atkinson & Christina Vantzou‘s new single “Shines for Eternity” out now
Artist: Félicia Atkinson & Christina Vantzou
Title: Shines for Eternity
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Buy / Listen: https://orcd.co/978boje
その旅は、アルバムの冒頭から鮮烈に始まる。オープニングの「Walking Through The Maples」では、生命力に満ちた複雑なレイヤーが、まるで目覚めたばかりの森を歩くような感覚を呼び起こす。続く「Mist On The Moat」は、霧に包まれた内省的な風景を描き出し、静謐な没入感を与える。
「The Cloud Table」は、本作の方向性を象徴する一曲だ。これまで以上にパーカッシブな要素が強調され、軽快なリズムと浮遊するシンセサイザーが絶妙な均衡を保っている。「The Wind Through The Chimes」では、風の動きを音に変換したかのような繊細なテクスチャが広がり、リスナーを束の間の瞑想へと誘う。
そして、タイトルトラックである「Hinterlands」。ここでは、アルバム全体のテーマである「未踏の地」の広大さと、そこにある微細な生命の鼓動が、ドラマチックな構成力をもって表現されている。続く「The Silent Summer」や「The Bird Of Paradise」でも、Green-Houseのシグネチャーと言える、色彩豊かで喚起力に満ちた音像が絶え間なく溢れ出す。
01. Sun Dogs
02. Sanibel
03. Farewell, Little Island
04. Misty Step
05. Dragline Silk
06. Hinterland I
07. Hinterland II
08. Hinterland III
09. Well of the World
10. Under the Oak
11. Bronze Age
12. Valley of Blue
ボーナス・トラック収録予定
Green-House:
ロサンゼルスを拠点とする Olive Ardizoni と Michael Flanagan によるプロジェクトであり、2020年に Leaving Records から発表した『Six Songs for Invisible Gardens』で植物の生命力と共鳴する「エコ・アンビエント」という新たな地平を切り拓き、2021年の『Music for Living Spaces』でその評価を決定的なものとすると、2023年10月から11月にかけては待望の初来日ツアー(東京・大阪・京都・岡山・名古屋・松本)を敢行し、日本の環境音楽への深い敬愛を滲ませた多幸感溢れるライブパフォーマンスで各地のオーディエンスを魅了した Green-House は、2026年に名門 Ghostly International への電撃移籍を果たすとともに、これまでの静謐なテクスチャを保持しつつもより躍動的なパーカッションと「急進的で誠実な真心」をコンセプトに掲げ、デジタルと自然界が未踏の調和を見せる待望のサード・アルバム『Hinterlands』を世界に放つ。
『Osni the Flare』からの第2弾となる「Act III: Rite」は、低くループするベース主導のメロディを軸に渦を巻くように進み、回転するたびに光を帯びていく。路上で拾われたポンプオルガンとハルモニウムが楽曲の土台を成し、その送風機構は、オートマトンのようなエンジン音を思わせる“唸り”を模倣し、圧縮され、搾り出されるように鳴る。
Travis HoodとRoss Mayfieldは、Allenの2023年作『Tin Iso and the Dawn』を、命を吹き込まれた人形劇のページェントとして、そして別次元へと開くものとして見事に記録したのち、本作でも再び参加している。以下では、昨年11月にニューヨークのLa MaMaで初演されたAllenの新作「パペット・バレエ」におけるパフォーマンスをフィーチャーした、「Act III: Rite」の映像をこの2人組が手がけている。
Tristan Allen’s new single “Act III: Rite” out now
Artist: Tristan Allen Title: Act III: Rite
Label: PLANCHA / RVNG Intl. Format: Digital Single
Tristan Allen – Act III: Rite [Official Video]
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=E4GjPKVbeMU
Video directed by Travis Hood & Ross Mayfield
Technical direction by Jim Freeman
Made possible by the support of The Jim Henson Foundation
Tristan Allen’ new album “Osni the Flare” out March 27
Artist: Tristan Allen Title: Osni the Flare
Label: PLANCHA / RVNG Intl. Cat#: ARTPL-251 (CD) Format: CD / Digital
※日本独自CD化 ※解説付き予定 Release Date: 2025.03.27 Price(CD): 2,200 yen + tax
音で紡がれる創世神話。Tristan Allenが描く「火」と「時間」の起源。
『Osni the Flare』は、Tristan Allenによる神話三部作の第二章にあたる作品であり、作曲家、プロデューサー、そしてパペッティア(操り人形師)でもあるAllenが、「火の発見」を通して一人の人間が神へと変容していく過程を描いたアルバムである。4年にわたる制作期間の中で、言葉を持たないヴォーカル、オルガン、オカリナ、数多くのトイ楽器、そして緻密なサウンド・デザインを用い、音響的にも視覚的にも強い没入感を持つ全4幕構成で、炎と時間の起源が紐解かれていく。美しさ、影、そして郷愁を帯びた熾火の間を揺れ動く創世神話を織り上げながら、Allenは、幻想世界に反響する、精緻に構築された感情豊かな音と物語への入口を提示する。
ニューヨーク州サラトガ・スプリングスに生まれ、幼少期には家族の日本滞在にまつわる記憶を持つAllenは、ピアノへの関心と才能を育む中で、即興演奏を勧めた教師Andy Iorioや、バークリー音楽大学のサマープログラムで16歳のAllenを見出し、初リリースをクラウドファンディングで支援したAmanda Palmerなど、重要な出会いを経験してきた。バークリーでピアノを学び、ライブ・エレクトロニクス集団Nueを共同設立し、メタル・バンドDentの一員として中国ツアーを行い、2作のソロ・ピアノEPを発表した後、2018年にボストンを離れてブルックリンへ拠点を移す。Craigslistで見つけた募集をきっかけに、Mike Leachのもとで操り人形の訓練を受け、6か月にわたりマリオネットの正しい歩かせ方を学び、名門Puppetworks劇場のパフォーマーとして活動するに至った。こうした厳格な訓練に加え、父親が所蔵していたBread and Puppet Theaterの資料や、バリ島の影絵芝居に触れた経験が、アコースティック楽器の作曲、電子的アレンジ、そして人形劇を通じたパフォーマンスという、Allen独自の創作実践へと結実していく。
『Osni the Flare』は、庭で目覚め、木からリンゴを摘む主人公Osniの物語を追う創世神話である。ルーン(アビ)に導かれ、冬の寒さから木を守るため旅立つOsni。しかしそのルーンがドラゴンに飲み込まれると、Osniはその腹の中へ入り、熾火を見つけ出す。その熾火を木に捧げることで炎が生まれ、火そのものの起源が誕生する。だが海の神Isoが洪水を起こし、Osniの庭は水没する。死後、Osniの魂は影の世界へと入り、TinとIsoに合流し、火の神「Osni the Flare」へと変容する。本作は、前作『Tin Iso and The Dawn』と比べて、より人間的で、子どものような感触を持つサウンドが特徴であり、神々の俯瞰的視点から、Allenの世界における最初の「人間」の物語へと焦点が移されている。新たな愛に支えられた感情が音楽へと昇華され、独自の魔法のような響きを生み出している点も印象的だ。前作同様、ピアノは「帰る場所」を象徴するポータルとして冒頭と終盤に配置され、Osniは生者の世界、狭間の世界、そして彼岸という三つの領域を旅していく。
『Osni the Flare』は、Tristan Allenが継続してきた世界構築を、驚くほどの統一感と精度で結実させた作品である。無数の要素がきらめくように結びつき、ひとつのアイデアから派生しながら同一世界を共有するファンタジー・シリーズのように展開される。本作は、ファンタジー映画を観て育った少年時代のAllenが思い描いていた理想、すなわち「人が楽器を演奏している音ではなく、幻想世界そのものが鳴っているような音楽」を現実のものとしている。パペッティアの技法である「真実の嘘を語る」ことを通じて、Allenは聴き手に、より原初的で直接的な体験へと誘う。Osniが人から神へと変容していく過程は、火の起源であると同時に、神話そのものの起源を描き出しているのだ。
Tracklist:
1. Perpetual Adoration
2. The Four Sleeping Princesses
3. Rachel’s Song
4. Haze with no Haze
5. Temple of the Winds
6. Stardust
7. Melted Moon
All tracks written, composed, arranged, produced and performed by Mary Lattimore & Julianna Barwick. Except Rachel’s Song composed by Vangelis and Temple of the Winds written by Roger Eno.
Jacob Hochbrücker harp (Germany, 1728), Érard single movement harp (France, 1799), Érard double-movement harp (France, 1873), tuning bells of Pleyel chromatic harp (France 1900) performed by Mary Lattimore.
Roland corporation JUPITER analog synthesizer (Japan, circa 1982), Sequential Circuits PROPHET-5 analog synthesizer (USA, circa 1975) performed by Julianna Barwick
Sound recording, additional production and mixing by Trevor Spencer
Mastered by Heba Kadry
昨年の夏のはじまり、Daphniとしては3年ぶりの新作となる楽曲「Sad Piano House」がリリースされた。Sofia Kourtesisとの初のコラボレーション曲「Unidos」を除けば、久々のDaphni名義での動きとなる。本曲はDaphniのカタログにおける自然な延長線上に位置づけられるもので、そのルーツはCherryの「Cloudy」、そしてそれに続くKelbinによるリミックスにまで遡る。Snaith自身や無数のDJによってフロアでプレイされるなかで、その楽曲構造の何かがダンスフロアに深い影響を与えてきた。「Sad Piano House」では、より捉えどころのない魅力を放つ、しなやかで歪んだピアノが用いられ、同様に強烈な効果を発揮しながら、現在も陶酔的なダンスフロア・アンセムとして鳴り響き続けている。
Cherryと『Butterfly』のあいだにはDaphni名義としては間が空いているが、その期間にはCaribouの最新アルバム『Honey』が制作・リリースされている。この作品では、Daphni的な即効性とダンスフロア志向の要素が、これまで以上にCaribouの音楽の隙間から顔を覗かせていた。そうした境界の曖昧化が導いたのが、『Butterfly』のリードシングル「Waiting So Long (feat. Caribou)」という興味深いコラボレーションである。一見すると意外な組み合わせだが、両者は同一人物、Dan Snaithである。この曲は、アイデンティティの混乱でも、自己陶酔でも、Snaithのラボで何かが事故的に起きた結果でもない。Snaith自身が、初めて「両方の名義に属する」と感じた楽曲であり、両方のファンに届くはずだと感じたからこそ生まれたものだ。彼はこれまで一度もDaphniの楽曲で歌ったことがなく、今回も歌うつもりで制作したわけではなかったが、それでもこの不思議なクレジットは自然に誕生した。
『Butterfly』は、その多彩さと予想外の展開によって、Snaithを今なお極めて魅力的なDJたらしめている要素を余すことなく示す作品だ。「Clap Your Hands」は「Sad Piano House」のエネルギーを受け継ぎつつ、それを反転させ、Snaithのヒットメイカーとしての側面に潜む、荒々しく中毒性のある裏側を露わにする。それでも近年の彼の作品に通底する、遊び心と切迫感はしっかりと保たれている。一方、「Hang」では、コミック調のホーンが歓喜とともに解き放たれ、執拗で揺るぎない高揚感を生み出す。
さらに、より本道から外れた場所へと忍び込むような楽曲群も収録されている。Snaithは大きな舞台に立ちながらも、常にそうした道を探し続けてきた。「Lucky」は身をよじるように妖しく中毒的で、「Invention」は曲がりくねった回廊を軽やかに駆け抜け、「Talk To Me」は濁った闇の中で唸り、沈み込み、「Miles Smiles」はそのグルーヴへの絶対的な自信から、永遠に続いていくかのようだ。これらの楽曲には明確なピークや統一的な瞬間はなく、そもそも多くはダンスフロア向けとは言い難い。それでも、適切な環境で鳴らされたとき、夜通しで最も楽しい瞬間をもたらす可能性を秘めている。
01. Sad Piano House
02. Clap Your Hands
03. Hang
04. Lucky
05. Waiting So Long
06. Napoleon’s Rock
07. Good Night Baby
08. Talk To Me
09. Two Maps
10. Josephine
11. Miles Smiles
12. Goldie
13. Caterpillar
14. Shifty
15. Invention
16. Eleven
17. Sad Piano House (Extended Mix)[Bonus Track]