Author: PLANCHA

Satomimagaeの北海道と福井でのライヴが決定!

最新アルバム『Taba』をRVNG Intl. / PLANCHAからリリースした東京を中心に活動しているミュージシャン、ソングライター、サトミマガエが9月19日札幌で開催される『HASHI』、10月11日に福井県の一乗谷朝倉氏遺跡 唐門広場で開催される『一乗谷文化祭』に出演致します。
詳細は以下をご確認ください。

 

HASHI 

日程:2025年9月19日 (金)
時間:OPEN/START 19:00
会場:Plastic Theater
住所:〒064-0805 北海道札幌市中央区南5条西1丁目1−23
料金:¥2,500

[Live]
lee(asano+ryuhei) 
Satomimagae 

[DJ]
nob o 
池田貫太 
ホットミルクが甘い理由 

[Video Live]
Agorot Key 
Seven x GBPITS 
Stickerbush

[lee(asano+ryuhei)]
福岡・小倉を拠点に活動する、サンプリングとビートメイキングに優れたソロアーティスト。Lo-fiヒップホップ、ジャズ、ソウル、エクスペリメンタルなど、多彩な音楽要素を取り込みながら、静謐かつ瞑想的なサウンド空間が特徴的。今年5月に開催されたTHE JASTICE’25にも出演。

[サトミマガエ]
東京を拠点に活動するシンガーソングライター/音楽家。フォーク、アンビエント、エクスペリメンタルを融合させ、静謐でありながらも深い余韻を残す音楽を展開する。フィールドレコーディングや環境音、電子的テクスチャーを取り込みながら独自の音響世界を築き上げている。NYの実験系レーベルRVNG Intl.からアルバム『Hanazono』を発表するなど、国内外からの注目を集める。今回が北海道初上陸。

[nob o]
FUJI ROCK FESTIVAL ’25への出演で注目を集めた札幌のハードコアバンド Glans のドラマー、Nobuo Yamada によるソロ名義。ジャズをルーツに持ち、ドラムにとどまらず多彩な楽器を操りながら音楽表現を追求している。今回はDJで出演。

[ホットミルクが甘い理由]
岩手県を拠点に、2022年ごろからアンダーグラウンド・シーンでシューゲイザー、ドリームポップ、HexDといったジャンルを探求し続けるディガー。膨大なディグと深い音楽的感性を背景に、独自の選曲眼を磨いている。今回は、本イベントの主催の1人として参加。さらに、自身にとって初となるDJプレイを披露する。

[CAPERFLOWER]
エクスペリメンタルヒップポップの宝庫なUKコレクティブ『CARERFLOWER』から、ローファイでドープ、ちょっと気だるげでメロウなラッパー『Agorot Key』、スペーシーなサウンドコラージュに淡々とラップを乗せるスタイルの『Stickerbush』アンビエントやベッドルームポップを取り込みながら独特の音楽空間を作り出す『Seven x GBPITS』の3組が映像にて出演。caperflowerメンバーズ特有の、離れているはずなのに節々に感じる繋がりに注目。

 

一乗谷文化祭

日程:2025年10月11日(土)音ノ座
時間:10:00 – 16:00
会場:特別史跡 一乗谷朝倉氏遺跡 唐門広場周辺(屋外)
住所:〒910-2153 福井県福井市城戸ノ内町21−18
料金:入場無料

出演:
ROTH BART BARON
bohkyoh
Satomimagae
noid
朝倉狂楽

 

Photo credit: Norio
Photo credit: Norio

Satomimagae:
東京を中心に活動しているアーティスト。暖かさと冷たさの間を行き来する変化に富んだフォークを 創造している。White Paddy Mountainより2枚のアルバムをリリースした後、2021年にNYのRVNG Intl. へ移籍して4枚目のアルバム『Hanazono』を幾何学模様のメンバーが主催するGuruguru Brainと共同 リリース。 国内外のアーティスト達とのコラボレーションを経て、5作目となる『Taba』を2025年春にRVNG Intl. よ り発表。

Website: https://satomimagae.jp
Twitter: https://twitter.com/satomimagae
Instagram: https://www.instagram.com/satomimagae/
Bandcamp: https://satomimagae.bandcamp.com/


Emily A. Spragueが10/10にRVNG Intl.からリリースするアルバム『Cloud Time』から新曲「Hokkaido」がヴィジュアルと共に公開

Photo Credit: V Haddad

Photo Credit: V Haddad

Emily A. Spragueが10/10にRVNG Intl.からリリースするニュー・アルバム『Cloud Time』からセカンド・シングルとなる「Hokkaido」がヴィジュアルと共に公開されました。

2024年9月下旬、Emily A. Spragueは北海道を皮切りに、日本での初の本格的なツアーをスタートさせました。その最初の夜に生まれた響きのいくつかが、「Hokkaido」として結実し、彼女の最新作『Cloud Time』にそっと収められています。まるでCloud Timeという広がり続ける地図に、新たなピンが打たれるかのように。

環境音楽(kankyō ongaku)の思想に導かれ、即興の力に身を委ねながら、エミリーは音を通して土地や時間と深く交信していきます。北海道という風土がもたらした新鮮な息吹のなか、流れるようなシンセサイザーのラインが広がる音の大地には、旅のはじまりがもたらす期待と解放の空気が漂っています。そこに宿る音の精霊たちは、まるで草原を跳ねる風のように軽やかで、同時に詩的な余韻を残します。

「Hokkaido」の音は、背の高い草を踏み分けながら歩いたときに残る足跡のように、シンプルで、澄みわたる詩情をたたえています。そしてその痕跡は、聴き手の内側にそっと残り続けるでしょう。

『Cloud Time』は、2024年秋に待望の日本デビュー・ツアーで録音された、時間と場所を巡るオーディオ・スピリチュアルな旅を描きます。その瞬間のために捉えられた環境即興の音源から編まれたこのアルバムは、同時に迎え入れ、応答し、そして唯一無二のものとなる素材を通して、精神的な旅、解き放たれた存在感、そして空間や聴き手との相互作用を可能にする演奏による航海を凝縮しています。『Cloud Time』は、ひとつひとつの生きられた瞬間のエネルギーの可能性に宛てたポストカードのような連作であり、永遠の「今」と深く対話しています。

「Hokkaido」は、その旅の第一歩の記録であり、音楽による深い対話のはじまりです。あわせて、長年のコラボレーターであるV Haddadによるビジュアル・アートもぜひご覧ください。

 

 

Emily A. Sprague New Single “Hokkaido” out now


Artist: Emily A. Sprague
Title: Hokkaido
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/xjnz08m

Emily A. Sprague – Hokkaido [Official Visual]

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=nOOK9VDjBxA

Created by V Haddad

 

 

Emily A. Sprague “Cloud Timeout on October 10, 2025


Artist: Emily A. Sprague
Title: Cloud Time
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-244

Format: CD / Digital

※日本盤独自CD化
※解説付き予定

Release Date: 2025.10.10
Price(CD): 2,200 yen + tax


環境と本能のコラボレーション
Floristのフロントマンとしても知られるアンビエント・アーティスト、Emily A. Spragueが昨年行った初の日本ツアーのステージ・レコーダーにアーカイヴされた8時間以上の録音から抜粋し、追加ミックスや最小限の編集のみで惜しみなく収録された7つの長編楽曲。

パンデミックの影響により2度に渡るキャンセルを経て2024年に遂に実現したEmily A. Spragueの初の日本ツアーでの演奏を収録したのが本作『Cloud Time』である。この音源はスプレイグにとって神話的な意味合いを帯び、彼女自身の音の白鯨のような性質を帯びていた。
「キャンセルされた旅と忘れ去られた音楽の空虚な空間は、奇妙な小さな霧のような霊魂へと変わり、私に付きまとうように感じられた」「ツアーの準備を始めた時、日本への招待は、何かを自分のコントロール下に置き、そこに持ち込むというよりも、むしろこの新しい場所に自分自身を開くことなのだという感覚を拭い去ることができませんでした。即興は常に私の音楽活動の大きな柱であり、その過程を通して、この国、空間、そして人々と出会いたいと強く願っていました。」と彼女は語る。

ステージ上でのこうした直感的なささやきを増幅させるため、スプレイグは、可能な限りエラーのない設計で長年使い続けてきたライヴ機材を、より自由で柔軟なセットアップへと再構築した。それは、毎晩、実質的に白紙の音のキャンバスと触れ合うことを可能にしたのだ。それぞれのパフォーマンスは、環境と本能のコラボレーションとなり、スプレイグはその夜を形作る出来事、エネルギー、そして感情を、新たなサウンド・エコシステムを通して処理し、耳を開き、心を開いてくれる観客一人ひとりに、完全に今ここにいる、唯一無二の自分を投影した。「私にとって、それは単なる演奏行為以上のものでした。時間と場所を体感する体験だったのです」

『Cloud Time』の流れを描く7つの長編楽曲は、アーティストのステージ・レコーダーにアーカイヴされた8時間以上の録音から抜粋され、追加ミックスや最小限の編集のみで惜しみなくアルバムに収録されている。アルバムが都市から都市へ、会場から会場へと移動する中で、リスナーは深く根付いた存在の瞬間に静まり返る。そして本作は各開催地で録音された素材の年代記であり、スプレイグは直線的な時系列ではなく、ムードに基づいたストーリーテリングに基づいてアルバムを選び、構成している。 「アルバム全体が、これまでのライヴ・パフォーマンスの一つ一つと同じように流れるようにしたかったんです」と彼女は説明する。「同時に、全体を旅として捉える精神も保つようにしました」。その結果生まれたのは、今や記憶という輝く琥珀色に閉じ込められた、力強い発酵から生まれた、旅行記、ラブレター、そして印象派的なコラージュが等しく融合した作品だ。

環境音楽という、国内外で広く知られる環境音楽哲学に深くインスパイアされた『Cloud Time』は、ポーリン・オリヴェロスのディープ・リスニングの実践と同様に広大な精神に共鳴し、リスナーを作曲家と位置づける。心のこもったシンセサイザーの周波数に根ざし、豊かに包み込み、癒やしを与えるアンビエント・ミュージックは、まるで聴き返しているかのような音楽だ。「Nagoya」「Tokyo 1」、そして10分間の「Matsumoto」といった曲は、優しく手入れされた風景の原子的な共鳴を響かせ、息苦しく束縛するような視点に深く入り込み、そこから遠く離れてゆくための空間を提供している。 『Cloud Time』は、つかむものは何もなく、ただ流れていくだけ、そして得るものだけがある、一瞬一瞬を儚くも永遠なものと受け入れる、そんな招待状だ。

ツアーを通してスプレイグが実践した、受容と手放しの実践は、彼女が自分自身を「ゲスト」としてだけでなく「尊敬されるパフォーマー」として理解する上で、深い影響を与えた。「自分がどこにいても愛し、今この瞬間に存在し、心と感情の明確なコミュニケーションのチャンネルに集中するというプロセスは、空間、そこにいる人々、そして自分自身への深い敬意に根ざしており、結果として深い癒しをもたらしました」と彼女は語る。「私のヴィジョンと希望は、このアルバムが、そこにいた人にも、そうでなかった人にも、贈り物として届けられることです。過ぎ去っていく人生のクラウド・タイムを。」


TRACK LIST:

01. Tokyo 1
02. Osaka
03. Nagoya
04. Matsumoto
05. Hokkaido
06. Tokyo 2
07. Each Story

 

 

 


KA BAIRD JAPAN TOUR 2025 | NYのヴォーカリスト/マルチ・インストゥルメンタリスト/コンポーザーのKa Baird初来日

Credit: Camilla Padgitt-Coles

Credit: Camilla Padgitt-Coles

実験音楽やオーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するプラットフォームMODEが、昨年RVNG Intl.から新作アルバム『Bearings: Soundtracks for the Bardos』をリリースした、米ニューヨークを拠点に活動し、声、マイク、エレクトロニクス、フルートをはじめとする木管楽器を用いたライブ・パフォーマンスで知られるアーティストKa Bairdの初来日ツアーを企画されました。

ポーランド発の電子音楽/実験音楽のフェスティバル/プラットフォームUnsound Festivalが日本初上陸し、大阪で開催されたUnsound Osakaの2日目のプログラムにて、日本のサウンドアーティストFUJI|||||||||||TAとのデュオで出演し、空気/圧力/呼吸/ノイズを駆使したパフォーマンス Where Does Fire End?を世界初披露して衝撃を走らせましたが、今週末からKa Baird単体でのツアーが開幕致します。兵庫、東京、山梨で公演を行います。貴重な機会を是非お見逃しなく!

 

【大阪公演】Unsound Osaka 2025 終了

日程:2025年9月6日(土)
時間:OPEN / START 15:30
会場:クリエイティブセンター大阪
住所:大阪府大阪市住之江区北加賀屋4-1-55
出演者:FUJI|||||||||||TA & Ka Baird present Where Does Fire End? / and more
チケット:ADV TICKET 5,500円 / AFTER 18:00 ENTRY 3,500円

 


【兵庫公演】

日時:2025年9月13日(土)
時間:OPEN / START 11:00
会場:Tobira Records
住所:兵庫県加西市北条町北条142-9 大正生命ビル2F
出演者:Ka Baird / Name by names / ディノサウロイドの真似 / Kskefk / J smith / 電磁鋼板 / St. Amp
チケット:3,500円 / 学割 2,500円
*予約は tobirarecs@gmail.com より受付中

 


【東京公演】

日時:2025年9月15日(月・祝)
時間:OPEN 19:00 / START 19:30
会場:公園通りクラシックス
住所:東京都渋谷区宇田川町19-5 東京山手教会B1F
出演者:Ka Baird / 山本逹久
チケット:前売 4,000円 / 当日 4,500円
ご予約:https://tinyurl.com/33kv8fv9

 


【山梨公演】

日時:9月20日(土)
時間:OPEN 16:00 / START 17:00
会場:GASBON METABOLISM
住所:山梨県北杜市明野町浅尾新田12
出演者:Ka Baird / KAKUHAN
チケット:前売 3,000円 / 当日 3,500円
販売サイト:https://peatix.com/event/4552340

主催:MODE

 

Ka Baird “Bearings: Soundtracks for the Bardos” now on sale


Artist: Ka Baird
Title: Bearings: Soundtracks for the Bardos

Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-209
Format: CD / Digital

※解説:八木皓平

Release Date: 2024.03.22
Price(CD): 2,200 yen + tax


『Bearings』は、芸術の演劇性と精神性が無常を清算し、生と死のサイクルを受け入れる流れの出会いである。

Ka Bairdがソロ・ニュー・アルバム『Bearings: Soundtracks for the Bardos』を携えて帰ってきた。このアルバムは、ニューヨークを拠点に活動するヴォーカリスト、マルチ・インストゥルメンタリスト、コンポーザーの恍惚としたライヴ・パフォーマンスの要素を、ミニマルで臓腑に響くコンポジションに絡めたもので、参加している様々な才人達とのコラボレーションによってその範囲とサウンドを広げている。このアルバムの11の楽章は、独自の多重性によって定義された変幻自在の呼び声として現れ、厳格なコンセプチュアリズムと音楽的技巧に翻弄された状況と悲しみの感情的な結末である。

20年以上にわたり、Kaはパフォーマンスを通してサウンドの外側の次元を探求してきた。そのルーツである1980年代初頭のサイケデリック・フォーク・ムーヴメントを遥かに超え、実験的なサウンド、パフォーマンス・アート、儀式を橋渡しする、生々しく境界を押し広げるソロ・パフォーマンスで知られている。また、ライヴ・セットでは、拡張ヴォイスやマイク・テクニック、エレクトロニクス、フルート、ピアノなどが含まれる。本作は、2017年のデビュー作『Sapropelic Pycnic』、そして高い評価を得た2019年のアルバム『Respires』に続く作品だ。

当初、2022年春にシカゴのLampoから依頼された20分間の作曲とプレゼンテーションとして構想された本作。Kaは、まず、マジシャン、シャーマン、ピエロ、アスリートの間で装いを変える一連の親密なパフォーマンスと、遊びと闘いの両方を伴い、継続的な無根拠の状態に耐える身体的に厳しいパフォーマンスを通じて「Bearings」の概念を探求した。この作品は、その後1年間、瀕死の親を介護する重苦しさと相まって、『Bearings』の土台を築き、アルバムの最終的な物語構成は、翌年9月の母親の死後数ヵ月で明らかになった。

Kaはこう説明する:「このアルバムは、2022年の夏に焦点が当てられ始めた。その年の2月に母が末期の診断を受けた後、私はイリノイ州ディケーターで母と暮らしていた。それからの半年間、私は母が眠っている間の静かな時間に、これらのサウンドを組み立て、アレンジし、創り出す作業をしていた。『Bearings』のライヴ・パフォーマンスと、母の介護と、その死を目の当たりにした経験とが合わさって、このレコードが生まれたんだ」。

『Bearings』は、芸術の演劇性と精神性が無常を清算し、生と死のサイクルを受け入れる流れの出会いである。このアルバムは、11のゲート、中陰、または「中間」に分かれており、それぞれが 停止または経験のギャップの状態を音響的に表し、それぞれが遷移、移動、障害、ポータル、降伏、および解放と相関してる。このような現在進行形の変位と不安定な状態、つまり自分の方向性を見失うこと、そしてその流れるような、酔わせるような形の中に崇高な意味を探し求めることを提案している。Kaの言葉を借りれば、「無常は決して休むことがないので、私たちは常に中陰の中にいる」。

ボルチモアのマルチ奏者のAndrew Bernstein(アルト・サックス)やHorse LordsのメンバーでもあるMax Eilbacher(フルート・プロセッシング、エレクトロニクス)、超絶変態ドラマーGreg Fox(パーカッション)等をはじめ、gabby fluke-mogul(ヴァイオリン)、Henry Fraser(コントラバス)、Joanna Mattrey(ヴィオラ)、John McCowen(コントラ・クラリネット)、Camilla Padgitt-Coles(ボウル、ウォーターフォン)、Troy Schafer(ストリングス)、 Chris Williams(トランペット)、Nate Wooley(トランペット)、そして自身の愛猫Nisa(鳴き声)等豪華面々が参加。Kaとその仲間達は、集団的なハミングと鼓動を生み出すために、ミニマリズムの広大な密度を作り出し、突然のスタートとストップ、複雑なハーモニクスとテクスチャー、パーカッシブな華やかさ、そして単一の周期的な叙情的なフレーズによって区切られた、広大なミニマリストの密度を描き出している。

Kaはこのアルバムを、特定のモチーフがさまざまな構成で繰り返されるソング・サイクルへの逸脱した頷きであると考えている。このアルバムの音の辞書では、トランペットの音は誕生や死を意味し、遠くの弦楽器のモチーフは記憶を表す。『Bearings』は、深い抽象性と集中力を持つ持続的な作品であり、その中で音の要素、構造、意味がひとつの統一された形に到達する。これは、今日の音楽界で活躍する最もダイナミックで妥協のないアーティストの一人であるKa Bairdにとって、創造的な高みに到達した作品に他ならない。

なお、このリリースの収益の一部は、国境なき医師団に寄付される。国境なき医師団は、紛争、疫病の流行、自然災害、人災、医療からの排除などの影響を受けている70カ国以上の人々に、独立した公平な医療人道支援を提供しています。


TRACK LIST:

01. Gate I
02. Gate II
03. Gate III
04. Gate IV
05. Gate V
06. Gate VI
07. Gate VII
08. Gate VIII
09. Gate IX
10. Gate X
11. Gate XI

 


BlankFor.ms “After The Town Was Swept Away” [ARTPL-243]

Artist: BlankFor.ms
Title: After The Town Was Swept Away
Cat#: ARTPL-243
Format: CD / Digital

※日本独自CD化
※ボーナス・トラック2曲収録
※解説: 高橋アフィ (TAMTAM)

Release Date: 2025.09.05
Price(CD): 2,200 yen + tax


その圧倒的なエディット・スキルで、インスタグラムでは10万人近いフォロワーを誇るエレガントなテープループの達人Tyler GilmoreことBlankFor.msがLeaving Recordsから放つニュー・アルバム『After The Town Was Swept Away』!ジャズの初期の経験と、長年抱いてきたハウスとドラムンベースへの愛に根ざしたBlankFor.msのビートへの忠誠心が垣間見え、時代を新たに再解釈する圧巻作!

音楽において、形式は時に経験と深く結びつき、言葉よりも説得力のある意味を語りかける。Leaving Recordsとサインしリリースされる本作『After the Town was Swept Away』で、Tyler GilmoreことBlankFor.msは、リズムの中に新たな自己収集の語彙を見出した。悲しみと喜びの両方を対峙させ、テープループ操作による12曲は、花飾りのように飾り立てられ、ささやくように響く。テープ自体の不完全な循環性は、このレコードが時間について瞑想するメタファーであると同時に、そのサウンドを形作る物理的な支えでもある。

2023年11月の第一子エリスの誕生、そして2024年1月には2年間の癌との闘病の末の母の死という、アーティストにとって人生を変える二つの出来事が次々と起こった。その後に制作された『After the Town was Swept Away』のサウンドは、解体と再構築から生まれた。作曲プロセスは主に改訂作業だった:初期のドラムマシンのスケッチは空っぽに、そして劣化させられ、曲全体が再構成されたうえに、テープループが積み重ねられ、複雑なリズムの伝記が消化された。ジャズの初期の経験と、長年抱いてきたハウスとドラムンベースへの愛に根ざしたBlankFor.msのビートへの忠誠心は、決して明白ではない形で表れ、時代の再解釈の手段となっている。

明瞭なリズム言語を操る『After the Town was Swept Away』の音楽は、強烈で愛情深く、時に不安げなトーンで語りかける。リードシングル「Formed by the Slide」では、このことを深く感じることができる。作曲家でありヴォーカリストであり、友人でもあるElla Joy Meirによる、静かにゆったりと、重層的に響く持続的なヴォーカルのオフビート・ループを背景に、リズムはまるでその痛ましいほど美しい呼びかけに応えるかのように、ノイジーなうねりとなって現れる。それは経験上最も純粋な形での音だ:人生が語りかける時、私たちはできる限りの方法で応えるのだ。

『After The Town Was Swept Away』は愛から生まれた。優しい思索だけでなく、実際に感じられた交わりを通して。例えば、ハイランドパークのヨガスタジオ「Kinship」にちなんで名付けられた三連画にもそれが当てはまる。2024年、実験音楽家のCollobohがBlankFor.msを迎え、ヨガ・インストラクターのMeg Shoemakerのルーティンに合わせて即興演奏を行い、そこから3曲が生まれた。しかし、ジャズドラマーのMarcus GilmoreやピアニストのJason Moranといった音楽的な面だけでなく、より個人的な面からも、他者からの影響がアルバム全体に感じられ、リズムによって結びついている。

そうでないだろうか?テープループには、過去を保存しつつ同時に変化させ、音とその源を刻み込み、また消したりする不思議な力を持っている。『After the Town was Swept Away』のビートは、思索的でありながら幸いなことに、まさにその点と向き合っている。再構築されたリズムが予期せぬ、望んでもいなかった思い出を生む余地を作り出し、経経験の洪水から生き延びるための方法となっている。


Track List:

01. Never Left
02. A Fleet Of Celebrants
03. Crail Family Post Office
04. Kinship I
05. To Survive The Flood
06. Unfurled Atop The Peak
07. Formed By The Slide 03:25 video
08. Kinship II
09. After The Town Was Swept Away
10. Colter
11. Ferried Across
12. Kinship III
13. Yours Not Mine (Demo Mix)[Bonus Track]
14. Lupine[Bonus Track]

Composed and produced by BlankFor.ms
Mastered by Matthewdavid
Artwork by Miko Revereza
Design by Studio Kristian Henson
Photo credit – Shervin Lainez
Words by Antonio Lenzo

 


LUCRECIA DALT “A Danger to Ourselves” [ARTPL-238]

Artist: Lucrecia Dalt
Title: A Danger to Ourselves
Cat#: ARTPL-238
Format: CD / Digital

※ボーナス・トラック2曲収録
※解説: 野田努 (ele-king)
※歌詞・対訳付き

Release Date: 2025.09.05
Price(CD): 2,200 yen + tax


2022年にリリースした『¡Ay!』が英『The Wire』で年間ベスト1位を獲得し、MUSIC MAGAZINE誌でもロック(ヨーロッパほか)で年間ベストに選出されるなど一躍注目を集めたコロンビア出身、ドイツはベルリンをベースに活動しているエクスペリメンタル・アーティスト、Lucrecia Daltの待望の新作アルバム。
デヴィッド・シルヴィアンを共同プロデューサーに迎え、フアナ・モリーナやCamille Mandoki等豪華ゲスト陣も参加し、集大成であると同時に出発点とも言える新たな傑作が完成。

コロンビアのペレイラで生まれたルクレシア・ダルトは、音楽愛好家の家庭で育ち、9歳のときにギターを手にするよう勧められた。ダルトはこの創造的な衝動に従い、コンピュータを使った制作に魅了され、土木技師としての急成長のキャリアを捨て、メデジンからバルセロナ、そして最終的にはベルリンへと移り住み、そこで自身の独特で冒険的なサウンドを発展させた。彼女の作品は、RVNGに移籍してから『Anticlines』(2018年)、『No era sólida』(2020年)、そして2022年に発表した特筆すべき画期的なSFボレロ・アルバム『¡Ay!』の3作をリリースし、その過程で、『On Becoming a Guinea Fowl』(2024年)、HBOのシリーズ『The Baby』(2022年)、そして近日公開のサイコホラー『Rabbit Trap』などの映画音楽制作にも活動の幅を広げ、サウンド・インスタレーションやパフォーマンスでは、彼女の光り輝く転調と独特で進化するヴォーカル・アプローチを披露している。

このたびリリースとなる『A Danger to Ourselves」は、ダルトが『¡Ay!』のツアー中の生活や新しい人間関係の形成期に書き留めた断片的な宣言から生まれた。彼女は2024年1月に、これらの親密な断片を音楽的な構成に結晶化させ始め、目的のある曲群を徐々に形にしていった。アルバムのサウンド構成は、コラボレーターのAlex Lázaroが提供するダイナミックなドラム・ループを基盤としており、そのパーカッシヴなバックボーンは、『¡Ay!』と同様、ダルトの重層的なヴォーカルのキャンバスとなった。従来のメロディックな構造に従うのではなく、このアルバムはベース・ライン、リズム、作曲デザインの相互作用によって音楽性を生み出している。大胆なプロダクションの選択と緻密なレコーディング・テクニックによって、声と楽器が新たな深みと輝きをもって調和する、ダルトの妥協のない音の明瞭さへの探求を明らかにしている。

明確に反コンセプチュアルな『A Danger to Ourselves』は、ダルトが音楽そのものに遮るもののない集中を導く詩的な本能であり、楽曲の枠組みを超越するボーカルと、原始的でロマンチックなスリルのきらめく響きを探求している。ダルトの細部への明晰なこだわりは、あらゆる小節に感じられ、献身的な姿勢が同心円を描きながら、個人的なものと霊的なものを統合する場を形成している。直感的な実験から生まれたこのアルバムは、シンプルなジェスチャーと複雑な構成を用いて、スペイン語と英語の間を伸縮自在なサウンドスケープと魅惑的な聴覚コラージュを通して行き来する「divina」のように、彷徨うようなラインを織り成している。

アルバム・タイトルは、デヴィッド・シルヴィアンの歌詞「cosa rara」から生まれたもので、人生の儚さ、愛の揺らぎ、奇跡への憧れを象徴的に映し出している。『A Danger to Ourselves』は、こうした超越的な状態を映し出し、人間の複雑な絡み合い、より啓示的な内面世界へ向かうドーパミン・スパイラルや一般的な経路からの解放への願望を屈折させている。高名なアーティストが多数参加したコラボレーションのコラージュであり、シルヴィアン自身も『A Danger to Ourselves』で共同プロデューサーとミュージシャンの二役を演じた。また、フアナ・モリーナが「the common reader」で共同作曲と演奏を、Camille Mandokiが「caes」でヴォーカルを、Cyrus Campbellがエレクトリック・ベースとアップライト・ベースの基礎を、Eliana Joy が複数のトラックでバッキング・ヴォーカルとストリングス・アレンジを担当している。

『A Danger to Ourselves』の光り輝く深淵において、ダルトは、音の錬金術を通して個人的なものが普遍的なものとなる深遠な変容を演出している。このアルバムは、集大成であると同時に出発点でもあり、彼女のこれまでの実験的な旅が、驚くほど親密でありながら広大なものへと収束する入り口でもある。感情的な啓示が網の目のように張り巡らされており、各曲は、ダルトの歌声が新たなハーモニーの領域を超えて啓示を体現する、脆弱性の的確に示している。従来の境界を超えた直感の生きた記録を創り上げ、音楽が鏡となり窓となる世界へと導いている。


TRACK LIST:

01. cosa rara (ft. david sylvian)
02. amorcito caradura
03. no death no danger
04. caes (ft. camille mandoki)
05. agüita con sal
06. hasta el final
07. divina
08. acéphale
09. mala sangre
10. the common reader (ft. juana molina)
11. stelliformia
12. el exceso según cs
13. covenstead blues
14. mabe fratti − cosa rara (en la playa) *
15. cosa rara (matias aguayo’s dopamine dub) *

* = Bonus Track

Concept by Lucrecia Dalt
Music by Lucrecia Dalt and Alex Lazaro
Produced by Lucrecia Dalt and David Sylvian
Mixed by David Sylvian
Mastered by Heba Kadry, NYC
Lacquers cut by Josh Bonati *Vinyl only credit
Cover photo by Yuka Fujii
Photo retouching by Louie Perea
Design by Will Work For Good

Lyrics and vocals by Lucrecia Dalt except “cosa rara” by Lucrecia Dalt and David Sylvian; and “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “the common reader” by Lucrecia Dalt and Juana Molina
Vocals on “caes” by Lucrecia Dalt and Camille Mandoki
Backing vocals on “amorcito caradura”, “no death no danger” and “covenstead blues” by Eliana Joy
Backing vocals and howls on “divina” by Alex Lazaro

All instruments performed by Lucrecia Dalt except:
Percussion by Alex Lazaro
Feedback guitar on “cosa rara” by David Sylvian
Electric guitar solo on “covenstead blues” by David Sylvian
Electric guitar on “stelliformia” by Alex Lazaro
Electric bass and contrabass by Cyrus Campbell except
Electric bass on “mala sangre” by William Fuller
Soprano and tenor saxophone by Chris Jonas
Violin by Carla Kountoupes and Karina Wilson
Cello by Amanda Laborete
Palms and finger snaps by David Sylvian and Alex Lazaro

All instruments and vocals recorded by Lucrecia Dalt except strings recorded by Marc Whitmore and vocals by David Sylvian, Camille Mandoki and Juana Molina by the artists themselves.
String arrangements in “hasta el final” by Lucrecia Dalt and Eliana Joy


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