その旅は、アルバムの冒頭から鮮烈に始まる。オープニングの「Walking Through The Maples」では、生命力に満ちた複雑なレイヤーが、まるで目覚めたばかりの森を歩くような感覚を呼び起こす。続く「Mist On The Moat」は、霧に包まれた内省的な風景を描き出し、静謐な没入感を与える。
「The Cloud Table」は、本作の方向性を象徴する一曲だ。これまで以上にパーカッシブな要素が強調され、軽快なリズムと浮遊するシンセサイザーが絶妙な均衡を保っている。「The Wind Through The Chimes」では、風の動きを音に変換したかのような繊細なテクスチャが広がり、リスナーを束の間の瞑想へと誘う。
そして、タイトルトラックである「Hinterlands」。ここでは、アルバム全体のテーマである「未踏の地」の広大さと、そこにある微細な生命の鼓動が、ドラマチックな構成力をもって表現されている。続く「The Silent Summer」や「The Bird Of Paradise」でも、Green-Houseのシグネチャーと言える、色彩豊かで喚起力に満ちた音像が絶え間なく溢れ出す。
01. Sun Dogs
02. Sanibel
03. Farewell, Little Island
04. Misty Step
05. Dragline Silk
06. Hinterland I
07. Hinterland II
08. Hinterland III
09. Well of the World
10. Under the Oak
11. Bronze Age
12. Valley of Blue
13. Hinterlands IV (Bonus Track)
ボルチモア出身のエクスペリメンタル/ロック・カルテット、Horse Lordsがニュー・アルバム『Demand to Be Taken to Heaven Alive!』をRVNG Intl.より2026年6月12日にリリースすることを発表した。あわせて新曲「Eureka 378-B / Brain of the Firm」をビデオと共に公開。
『Demand to Be Taken to Heaven Alive!』に収められた全12曲は、幾層にも折り重なったリズムと音色、そして精緻な構造を備えながら、同時に強い身体性と人間味を宿している。干渉し合うパターン、編み込まれる旋律、逃れがたいグルーヴが、精神と身体の双方に作用する音響空間を生み出していく。バンドが長年追求してきた秩序、反復、変容、共同体性といったテーマは、本作においてさらに拡張され、抽象性と高揚感を併せ持つスケールへと到達した。
アルバムの幕開けを飾る「Eureka 378-B」は、19世紀の賛美歌集『The Sacred Harp』に収録された楽曲を下敷きにしたアレンジで、Nina GuoとEvelyn Saylorの歌声を中心に据えながら、オートチューンやモジュレーションによって現代的な変容を施している。一方の「Brain of the Firm」では、脈打つベース、しなやかなギター、電子的な鍵盤音、俊敏なドラムの上を、多声音で言葉を持たないヴォーカルが舞う。リズム面ではIRCAMでの研究を背景としつつ、中央アフリカのヴォーカル・シンコペーションやアパラチアのドローンにも接続する楽曲となっている。
公開された映像は、ヴィジュアル・アーティスト/ギャラリストのScott Kiernanによるもの。楽曲タイトル「Eureka 378-B」と「Brain of the Firm」から着想を得て、掃除機の型番とマネジメント・サイバネティクスのイメージを視覚的に交差させた内容となっている。
本作では、アートを「視点を変えるための道具」として捉えるHorse Lordsの思想がより明確に表れている。断片を切り出す“Rotation”シリーズや、変換アルゴリズムを用いて構造化されたタイトル曲「Brain of the Firm」、そして「Second Galactic Utopia」などを通じて、彼らは作曲そのものを再帰的かつ可変的なものとして提示する。また、「After the Last Sky」ではMahmoud Darwishの詩から着想を得るなど、ユートピア的な志向と現実世界の緊張関係も作品内部に深く織り込まれている。
東京を中心に活動するミュージシャン/ソングライターSatomimagaeと、スコットランドのミュージシャンEuan Alexander Millar-McMeekenによるコラボレーション・デュオ、Yoalがデビュー・アルバム『Gloaming』を2026年5月8日にリリースすることが決定した。あわせて、Satomimagaeの出演ライヴ4公演も発表されている。
Satomimagae and Euan Alexander Millar-McMeeken’s collaborative duo Yoal to release debut album Gloaming on May 08, 2026
Photo by Photo by Norio, Georgina Cook
YOALはスコットランドのミュージシャン Euan Alexander Millar-McMeeken と日本の Satomimagae によるプロジェクト。Euanが自身のプロジェクト Glacis 名義でのアルバム『Interpretations』のためトラックのリミックスをMagaeへ依頼したことがきっかけでメールでの交流がスタートした。音楽的な対話から、日常の観察やお互いの文化的環境への好奇心へと発展した交流がやがてアルバムを共作するきっかけとなった。
01. Tori
02. The Sea of Gold
03. The Sun’s White Wind
04. Actias Aliena
05. Miles Apart, Seconds Away
06. I’ll Give You the Sun
07. Kizashi
08. Drifting Like a Leaf into the Flames
09. I’m Still Hollow
10. Creeping
11. Imagine What Her Eyes Have Seen
12. Ohayo
13. Tulips
Written and performed by Euan Alexander Millar-McMeeken and Satomi Magae
Peter Hollo plays cello on tracks 3 and 11 Mixed by Satomi Magae
Mastered by Ian Hawgood Cover photo by Jesse Narens
Press Photo by Norio, Georgina Cook
CD Design and layout by R. Keane
アンビエント・ジャズ・カルテット、Fuubutsushiのメンバーとしても活動するM. SageことMatthew Sageが、2025年のアルバムの『Tender / Wading』に収録された楽曲を拡張したオリジナル・バージョン「Open Space Properties (Pasture Suite Edit)」を自身が手掛けたヴィジュアライザーと共に公開。
「Open Space Properties (Pasture Suite Edit)」は、2025年の傑作アルバム『tender / wading』で初めて発表された楽曲のオリジナル拡張版。位相のずれるフレーズやさまよい続けるメロディが渦を巻きながら、乾いた牧草地の空気へと散っていく、アルゴリズム的な構造に抗うロングフォームの音の旅が繰り広げられる。そこには、幻のような裏野原の風景が広がっている。
この楽曲は本日、Sageによるビジュアライザーとともに公開された。「Open Space Properties (Pasture Suite Edit)」は現在、すべてのデジタル・プラットフォームで配信中。BandcampではPay What You Want形式での入手も可能となっている。
M. Sage new single “Witch Grass” out now
Artist: M. Sage Title: Open Space Properties (Pasture Suite Edit) Label: PLANCHA / RVNG Intl. Format: Digital Single
Buy/Listen: https://orcd.co/kkdqbpx
01. The Garden Spot 02. Witch Grass 03. Chinook 04. Wading the Plain 05. Open Space Properties 06. Telegraph Weed Waltz 07. Fracking Starlite 08. Field House Deer (Mice) 09. Tender of Land 10. Tender of Land (Patrick’s Version) (Bonus Track) 11. Watering Twig (Bonus Track) 12. Two Sleets (Bonus Track)
M. Sage:
Matthew Sage は、ミュージシャン、インターメディア アーティスト、レコーディング エンジニアおよびプロデューサー、出版社、教師、パートナー、および親です。 2010年代初頭から、コロラドとシカゴの間で、彼は遊び心のあるニュアンスのあるベロシティと完成主義的な感性を備えたプロジェクトをレンダリングし、多角的な実験的なスタジオ・ミュージックの特異なカタログ輩出してきた。
コロラド州で生まれ育ったSageは、ドラムやギターなど、手に入る楽器は何でも演奏して育ち、中学から高校にかけてバンドに参加した後、インターネット上のDIY音楽文化に出会った。大学在学中にテープ・レーベルPatient Soundsを設立し、100を超えるアーティストの音楽をリリースするとともに、M.Sageとして、またFree Dust, Professional Flowers、Starling Murmurations、RxRy、Wellington Downsの名義で作品をリリースしてきた。2014年、Sageはシカゴに移り、シカゴ芸術学院の大学院に進学し、ライティングとインターメディア・アートを学ぶ。自宅のスタジオでの練習から、Sageは合成の世界にのめり込み、多くの一般的な手法やスタイルに手を出し、しばしばフィールド・レコーディングやシンセサイザーやエレクトロニクスで製作したサウンド・デザイン要素を取り入れた。Patient Sounds、Geographic North、Florabelle Records、Noumenal Loom、Orange Milk、Moon Glyph、Past Inside The Presentなどの著名な実験的レーベルから、着実に自信のプロジェクトを発表し、The WireやNPRなどのでも注目されるようになる。
詩やフィールド・レコーディングを織り込んだエレクトロ・アコースティック作品で独自の表現を築いてきたFélicia Atkinsonと、映像的な感覚とオーケストラルな響きを横断しながらアンビエントの地平を拡張してきたChristina Vantzouが、4/10にRVNG Intl.が企画する現代コラボレーション・シリーズ「Reflections」の第3弾としてリリースする『Reflections Vol. 3: Water Poems』からセカンド・シングル「Shines for Eternity」が公開。
『Reflections Vol. 3: Water Poems』で、Félicia Atkinson と Christina Vantzou は、友情と大気のように漂う芸術性を儀式的な集中へと昇華させている。スポークンワードが立ち上げる環境と、オーケストラ的な想像力が支流のように流れ込み、ひとつの大きな流れとして結晶する。その結果生まれたのは、海、空、石に根ざした、夢見心地の楽曲とサウンドスケープのコレクションだ。エレクトロアコースティックな楽器編成、声、そして環境音を通して、『Water Poems』は、日常の親密さと、あらゆる生命がほどけ出てくる海の謎のあいだにあるような、潜在意識の空間へとリスナーを誘う。
「Shines for Eternity」は、夢のような入浴、あるいは浄化の儀式を想起させる。柔らかな水しぶきや滴りがもたらす馴染み深い親密さは、ささやくような言葉、ピアノ、ベル、シンセが織りなす網目の中で抽象化されていく。電子的な処理が幻想性をいっそう深め、Atkinson と Vantzou が巧みに立ち上げる“耳のためのシネマ”が広がる。翼のある生き物が、見えない泉の水面をかすめるように飛び、サウンドスケープの上を横切っていくかのようだ。「私たちは水である」と、オラクル(神託者)が断言する。
Félicia Atkinson & Christina Vantzou‘s new single “Shines for Eternity” out now
Artist: Félicia Atkinson & Christina Vantzou
Title: Shines for Eternity
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Buy / Listen: https://orcd.co/978boje