ベルリンとニューヨークを拠点に活動するアーティスト/振付師で、Holly Herndonのコラボレーターとしても知られるColin Selfが、2月13日にRVNG Intl.からリリースするアルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis(以降『r∞L4nGc』)』の拡張版から最後の先行シングルとしてMacy Rodmanをフィチャーした「Sissykins (The Glass Hooker)」を公開。
「Sissykins (The Glass Hooker)」は、怪物みたいな時代のためのダンス・ミュージックだ。あるいは、踊れる時代のためのモンスター・ミュージックなのかもしれない。世界がどれほど危うく見えようと、Colin Selfは、動くことの中にしかない解放があるのを知っている。そして「Sissykins」では、Macy Rodmanとのコラボレーションによって、ふたりはリアルタイムで姿を変え、変異していくようなリズムを作り出す。ループするホーン、ちょこまか跳ねるビート、そしてまるで邪悪なグレムリンがミキシングボードの上で暴れ回っているみたいな音が、Macy Rodmanの強迫的に響く声のまわりを、歪め、編み込み、絡み合っていく。
「私はゴースト・ガール、夜になると生き返る/体をクラッチに押し込んで、中に這い上がって入った」と、Macy Rodmanはラップする。彼らの声は不眠で朦朧としていて、人間の私たちがふだんは理解できないものを見てしまったかのように錯乱している。注意してほしい。これを夜更けの静かな時間帯にかけたら、あなたの隣で一緒にパーティーをする準備ができているのが誰なのか、分からなくなるかもしれない。
Colin Self’s respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis (Expanded) is out on February 13, 2026.

Artist: Colin Self
Title: respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis (expanded)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL228EX
Format: Digital
Release Date: 2026.02.13
光が分かたれることで、世界は増幅する。
Colin Self のサード・アルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』は、拡張版においてその美と射程をさらに押し広げる。
光がプリズムを通過すると、虹色が虚空へと散乱する。かつては区別のない一本の光だったものが分かたれ、無数の存在として立ち現れる。それぞれはすべて、ひとつの光源から生まれている。しかしその分岐と分裂のなかにこそ、豊穣な新しい世界を授かるという贈り物がある。
ひとつであり、同時に多数でもあることを、色彩の奔流と脈打つ光のなかで同時に知覚すること。それこそが Colin Self の音楽がもたらす恩恵であり、その真価は、2025年2月に発表されたサード・アルバムに11曲を追加した拡張版『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』において、これまで以上に明確に示されている。本作は、鮮烈なディテールで振動する音の聖堂のような存在であり、ひとつひとつの小さな瞬間が積み重なり、オリジナル・アルバムを特徴づけていた瑞々しい美しさをさらに豊かなものにしている。
Self の作品が放つ抗いがたい魅力の中心にあるのは、その声だ。声ひとつだけでも直感的で磁力を持ち、迷える魂を安全な岸辺へと導く灯台のような力を備えている。しかし、プロデューサー、パフォーマー、作曲家、マルチディシプリン・アーティスト、そしてコラボレーターとしての Self の仕事は、より多層的なかたちで完全性を獲得する。虹が無数の階調を内包するように、そのすべてのグラデーションに意味が満ちているのだ。とりわけ拡張版『r∞L4nGc』では、そのコラボレーターとしての側面が最も鮮明に浮かび上がる。新たに追加された楽曲のほぼ半数が旧知の仲間たちとの共作であり、Self は舞台を共有することを切望している。異なる角度から差し込む新たな光源が、プリズムを横切っていく。
初出時に『r∞L4nGc』を特別な作品たらしめていた要素、すなわち亡きクィアの先人たちに捧げる歌声、何世紀も先の異星のダンスフロアで鳴り響くかのようなビート、そして11分に及ぶクロージング曲「∞」に体現された、自己を解体するほどの無限性と探究精神は、すべて本作にも息づいている。オリジナル・アルバム収録曲の「gajo」と「Losing Faith」は、アコースティック・ヴァージョンとして再登場する。Self の精緻なエレクトロニクスを取り払ってもなお、これらの楽曲は装飾性を失わず、壊れかけのメリーゴーラウンドのように幽玄な美しさを湛えている。華やかな仕掛けはなくとも、丁寧に塗り重ねられた色彩が残り、Self のソングライターとしての力量がそれぞれの楽曲を確かなものにしている。
一方で、他者の声を迎えたオペラティックな楽曲群では、Self のコラボレーターとして、また形式を操る作家としての才能が際立つ。友人 Geo Wyex をフィーチャーした「Alphabet’s Chant」は、Self のオペラ作品『Tip the Ivy』に初めて登場した楽曲であり、Wyex の呪文のような歌唱が、舞台上で立ち現れた幻覚的な神秘性を再び呼び起こす。「Their slow and blue shine / Coming though that so thick fog on the water」という一節が、その世界観を鮮やかに描き出す。また、ドイツのクラシック合唱団ベルリン放送合唱団の委嘱によって制作された「Nanti Polari」では、Iwona Sobotka がポラリと呼ばれる言語で歌う。ポラリとは、数世紀前に投獄されたクィアたちが用いた隠語的な英語であり、Self は本作全体を通して、この符牒の言語を用いて語りかけている。
拡張版『r∞L4nGc』は、ヴィジュアル・アーティストの Diamond Stingily をフィーチャーした「disobedient daughters」で締めくくられる。このヴァージョンに収録された全23曲は、過去5年にわたって共に成長してきた作品群だが、Self は「disobedient daughters」が比較的新しい楽曲であり、同時に次なる方向性を示すものだと語っている。Self の作品は常に複数の時間軸を横断し、遠い過去の先人たちの記憶と、より自由な未来への夢とを現在へと引き寄せてきた。「disobedient daughters」も例外ではない。時間に縛られた存在としての「歌」という概念を破壊する、多声的なアンセムとして響き渡る。「I will fight for you / Because you fought for me / I will only stop / Once everyone is free(私はあなたのために闘う/あなたが私のために闘ってくれたから/すべての人が自由になるまで/私は止まらない)」と、Self は高らかに唱える。
Track List:
01. respite for the tulpamancer
02. gajo
03. Doll Park Doll Park
04. Dissimulato
05. Losing Faith
06. {canting}
07. Busy walks into The Memory Palace
08. paraphrase of a shadow
09. riddlecraft
10. gaolbreaker’s dream
11. Tip The Ivy
12. ∞
13. The Thief’s Journal (feat. Baths)
14. alphabet’s chant (feat. Geo Wyex)
15. Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)
16. Alone (4th Version)
17. Nanti Polari (feat. Iwona Sabotka)
18. LMO
19. set in stone
20. sunspew makes moonrune
21. gajo (acoustic version)
22. Losing Faith (acoustic version)
23. disobedient daughters (feat. Diamond Stingily & Eve Essex)
Colin Self’s new single “Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)” out now
Artist: Colin Self
Title: Sissykins (The Glass Hooker) (feat. Macy Rodman)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Buy / Listen: https://orcd.co/qx2gk97
Colin Self:
Colin Selfは、1987年に米国オレゴン州(ポートランド近郊)で生まれ、ニューヨークのブルックリンとベルリンを拠点に活動するアーティスト/作曲家/振付家/パペッティア(人形遣い)。音楽作品の制作に加えて、パフォーマンスや環境(空間)を含む実践を行い、制作にはコラボレーションやコミュニティの一時的な集合も含まれる。
2010年にSchool of the Art Institute of ChicagoでBFAを取得。2012年から2014年にかけては、アヴァン・ドラァグ集団Chez Deepのメンバーとしても活動し、ニューヨーク、マイアミ、グラスゴーなどでパフォーマンスを行った。その後、Holly Herndonのトリオ編成(Holly Herndon+Mat Dryhurst+Colin Self)の一員としても知られ、Radioheadの2016年ヨーロッパ・ツアーにサポート・アクトとして参加している。
作品は、ジェンダー、コミュニケーション、意識といったテーマや、社会関係、デジタル技術に関心を寄せることが記されている。([ウィキペディア][2]) 音源作品としては、デビュー作『Elation』(2015年)を皮切りに、『Siblings』(2018年)、『Orphans』(2019年)などを発表。近年はRVNG Intl.より、EP『lemniscate』(2024年10月4日)およびアルバム『respite ∞ levity for the nameless ghost in crisis』(2025年2月21日)をリリースし、同作のExpanded版が2026年2月13日にリリース予定とされている。
また、2023年5月にFLAU主催イベント「Crosss」で東京公演を行い、来日している。


