Author: PLANCHA

WHATEVER THE WEATHER “Whatever The Weather” [ARTPL-168]

Artist: Whatever The Weather
Title: Whatever The Weather
Cat#: ARTPL-168
Format: CD

※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※解説:野田努(ele-king)

Release Date: 2022.04.08
Price(CD): 2,200yen + tax


Hyperdubから良作をリリースしているLoraine Jamesが、自身が長年ファンだったというGhoslty Internationalから別名義Whatever The Weatherをリリース決定!
アルバム・タイトルにちなんで各曲名は全て温度になっており、キーボードの即興演奏やヴォーカルの実験を取り入れ、アトモスフィアや音色を形作ることを優先したモードで、静と動、寒と暖を行き交う心地よくも刺激的な音世界!アンビエント〜IDMを横断する20年代エレクトロニカの紛れもない傑作!マスタリングはTelefon Tel Avivが担当しており、TTAファンも必聴の内容!

ノース・ロンドンのプロデューサー、Loraine Jamesは、パンデミック以降の激動のこの2年間をアートを通じて駆け抜けてきた。NTSラジオでマンスリーのショーを始め、Bandcampでいくつかのプロジェクトを共有し、Hyperdubの2つのリリース、『Nothing EP』と、2019年のブレイクした作である『For You and I』に続くアルバム『Reflection』の録音を行った。また、また、10代頃以来の未知の創造的な領域へと戻ってきた。クラブ・ミュージックとは対照的に、このモードではキーボードの即興演奏とヴォーカルの実験が行われ、パーカッシヴな構造を捨ててアトモスフィアと音色の形成が優先されている。このように、異なる頭脳空間から、新しい座標と気候が生まれ、「Whatever The Weather」という新しいプロジェクトが誕生した。本アルバムのマスタリングを依頼したTelefon Tel Aviv、HTRK(シンガーのJonnine Standishは『Nothing EP』に参加)、Lusine(Loraineがリミックスを手がけた)など、アンビエントと親和性の高いGhostly Internationalのアーティストたちの長年のファンであるLoraineはGhostlyが空気感のあるトランスポーター的な楽曲で構成された、このセイム・タイトル・アルバム『Whatever The Weather』の理想的な拠点であると考え、このリリースへと至った。

『Whatever The Weather』のタイトルは全て温度数で表されており、シンプルなパラメーターによって、ムードを盛り上げるためのニュアンスに焦点を当てることができる。彼女の浮遊する宇宙は変動し、曲ごとに凍ったり、解けたり、揺れたり、花開いたりしていく。セッションでのジャムを元にしたアプローチを「自由な流れまかせ、私が終わったように感じたら止める」と説明し、彼女の潜在意識によってリードできるようにする。その即興演奏は、ひとつの環境の上を通過する突然の天候のような、本質的な流動性を持っている。場所は固定されているように感じるが、状況は変化していく。

アルバムの冒頭を飾る「25℃」は、柔らかなハミングとキーボードが降り注ぐ太陽のような曲。この曲は最も長い曲で、温和な風が上下すると至福の時が訪れるという点であり、安定した印象を与えるが、彼女の作品は組織的な混沌を好む傾向がある故に、その様相は当然ながら一時的なものである。このユートピアから、最もメランコリックな 「0℃」へと急降下し、浮遊する孤立したシンセ・ラインは、冷厳なビートと静電気の嵐を横切っていく。続く「17°C」では跳ね上がるような勢いのキーボードに車のクラクション、ブレーキの音、横断歩道の会話などのサンプリングが織り交ぜられ、ジャングル〜ドラムン調の変則ブレイクビーツが駆け抜けるIDM調のキラー・チューンをみせる。

この作品の一部では、Loraineはネオクラシックに傾倒し、流れ落ちるピアノの鍵盤と暖かいディレイの物悲しいヴィネットを表現している。前半最後の「2°C (Intermittent Rain)」は嵐のような短いループで終え、「10℃」ではリセットされた感覚が浸透する。エコーをかけたオルガンの上で直感的に音を混ざ、ジャズ志向を示唆する非定型のリズムにロックしたり、外したりしている。「4℃」と「30℃」は、彼女のヴォーカルの実験の幅を示すもので、前者はリズミカルで別世界のような効果があり、後者は最もストレートな歌声(彼女はデフトーンズのチノ・モレノとアメリカン・フットボールのマイク・キンセラをインスピレーション源として挙げています)を聴くことができる。

本作は「36°C」で幕を閉じるが、この曲は冒頭の「25℃」のようにシンセサイザーのコーラスが心地よく、空を飛ぶようなこのコレクションにふさわしいブックエンドとして機能している。周期的、季節的、そして予測不可能な、まさにその名の通りであり、アンビエント〜IDMを横断する20年代エレクトロニカの紛れもない傑作だ。

マスタリングはTelefon Tel Avivが担当している。CDリリースは日本のみで、レコードには未収録(デジタルには収録)のボーナ・トラックが追加されている。


01. 25°C
02. 0°C
03. 17°C
04. 14°C
05. 2°C (Intermittent Rain)
06. 10°C
07. 6°C
08. 4°C
09. 30°C
10. 36°C
11. 28°C (Intermittent Sunshine) [Bonus Track]


ISIK KURAL “in fubruary” [ARTPL-167]


Artist: Isik Kural
Title: in february
Cat#: ARTPL-167
Format: CD / Digital

※ボーナス・トラック1曲収録
※解説:柴崎祐二
※歌詞・対訳付き

Release Date: 2022.03.25
Price(CD): 2,000yen + tax


ブルックリンの名門RVNG Intl.が新たにサインした、トルコはイスタンブール出身で現在はグラスゴーを拠点に活動しているアンビエント・ポップのブライテスト・ホープ、Isik Kuralがニュー・アルバム『in february』で日本デビュー!日本盤CDにはUNKNOWN MEのメンバーでもあるアンビエント音楽家、H. Takahashiによるリミックスを収録。

イスタンブールに生まれたIsikは、マイアミ大学で音楽工学を学び、その後ニューヨークに降り立ち、最終的にグラスゴーに定住して、サウンドデザインの修士号とオーディオ・ヴィジュアルの実践に没頭。様々なプロジェクトや都市を行き来する一方で、彼の中には、日常の輝きに満ちた世界のヴィジョンから得られる声が育まれていった。2019年にイタリアのカセット・レーベルからリリースされた『As Flurries』とAudiobulbからデジタル・リリースした『Maya’s Night』で一部のアンビエント・リスナーから支持を受け、ニュー・ホープとして注目されていたが、その類まれなる才能に着目したRVNG Intl.が契約に至った。

“音の写真家”とも称されるIsikのサウンドのスタイルは、過ぎ去っていく時間と戻ってくる時間を人生の時間性を表すスナップショットのように記録していく。穏やかでシンプルながら独創的なシンセサイザーの音色とフィールド・レコーディングを融合させ、たおやかなヴォーカルや、ピアノ、アコギなど必要最小限のアコースティック楽器を絡めて牧歌的で温かなアンビエント・ポップ・サウンドを構築している。

本作『in february』の始まりは2019年にイスタンブールに一時帰国したときのことだった。古巣のBabajim Recording StudiosでのセッションのヘルプをしていたIsikは、”一音に触れるだけでメロディが聞こえる”ような美しいピアノに遭遇した。そのピアノを即興でいじった録音をループさせたものが、アルバム中のトラックのタイトルにもなっている「pillow of a thought(思考の枕)」である。この斬新な制作方法を確立した彼は、予期せぬ録音をループさせて構築する3分を超えない12のパッセージを制作した。そこではこれまでの創造的な探求に影響を与えた作曲プランやライヴ・パフォーマンスの性向を捨て、より即効性のある効果を追求している。ナイロン弦のリフレイン、軽快なシンセサイザーのハミング、そして室内楽の断片が、グラスゴー周辺で捉えられた共感覚的なヴァースやディテールとコラージュされ、地元のGreen Door Studiosでエディットされ息吹を放った。また、『in february』には文学的なイメージも添えられており、スタジオとフィールドのドキュメントのスパイラルを通して、聴き手を旅へと誘うような感覚を織り込んでいる。アルバムの中心となる「lo si aspetta」と「che si aspetta」は、ピエル・パオロ・パソリーニの「砂の長い道」の一節にちなんだタイトルである。その他にも天候と失われた友情を結びつけるトルコの詩人グルテン・アキンの詩や、ヴォーカリスト、ステファニー・ロクサーヌ・ウォード(pka spefy)をフィーチャーした3曲のコラボレーションのうちの1つ「yeniden」では、アン・カーソンのソフォクレスの翻訳が用いられている。

Isikは『in february』の詩、音、写真の流れの間を軽やかに行き来する。それはすっと通り過ぎていくような感覚だが、この作品の簡潔さを当然と考えるべきではない。それらは精巧なディテールで互いにささやき合い、愛と憧れの新旧の物語を直感的に書き出しているのだ。

日本盤CDにはボーナス・トラックとして東京を拠点とするコンポーザー/建築家で、やけのはら、P-RUFF、大澤悠大らとのライブユニットUNKNOWN MEのメンバーでもあり、昨年三軒茶屋に自身のレコード・ショップKankyō Recordsをオープンさせた、H. Takahashiによるリミックスを収録。

なお、このリリースによる収益の一部は、トルコ全土の子どもたちのためにワークショップ、教育訓練プログラム、放課後プログラムを作成、実施する団体Turkiye Egitim Gonulluleri Vakfiに寄付されます。


TRACK LIST:

01. pillow of a thought
02. simdi iki
03. paperhat
04. pineapples and lime
05. hopefullyhopefully
06. coral gables (feat. spefy)
07. lo si aspetta
08. che si aspetta
09. sevdiklerine
10. yeniden (feat. spefy)
11. berceuse (feat. spefy)
12. slippin
13. film festival
14. pillow of a thought (H. Takahashi Remix) [Bonus Track for CD]


名門RVNG Intl.が送り出す新たな才能。幽玄的でドリーミーなサウンドをみせるDiatom Deliのニュー・アルバム『Time~Lapse Nature』が5/13にリリース決定。先行シングル「Disarray」をミュージック・ビデオと同時に公開。

Credit: Corey King

Credit: Corey King

名門RVNG Intl.が送り出す新たな才能。幽玄的でドリーミーなサウンドをみせる、テネシー州で生まれ育ち、現在はニューメキシコ州のなだらかな山岳地帯を拠点に活動するシンガーでありミュージシャンでもあるDiatom DeliがNYの名門RVNG Intl.と契約してのニュー・アルバム『Time~Lapse Nature』が5/13にリリース決定!本日先行シングル「Disarray」をミュージック・ビデオと同時に公開されました。

Diatom Deli、本名Delisa Paloma-Siskの最新シングル「Disarray」は、Deliのたゆたうようなヴォーカルに、穏やかなギターループをベースにした幽玄で穏やかな楽曲。この曲は、友人との別れという、あまり議論されることのない辛いトピックを探求しています。また、Lindsay GauthierとAndré Williamsが監督したこのヴィジュアルは、アースシップ・コミュニティの家や、それを取り囲むニューメキシコ州タオスの極限の風景で撮影されました。アースシップとは、化石燃料への依存を最小限に抑え、ニューメキシコ州の厳しい気象条件にも耐えうる持続可能な素材で作られたエコホームのことです。

Deliはこのシングルについて、「この曲は友情の破局について書いたんです。あまり語られることはないけれど、親しい友人と別れることは、時に恋愛関係を離れることよりもひどいと感じることがあります。一時期、私にとって世界的な意味を持つ友情を断ち切ると決めた時、これを受け入れるのに本当に苦労しました。優先順位が変わったり、友情に変化が起きたりすると、その気持ちをどうしたらいいのか、それをどう話したらいいのかわからなくなることがあるのです。時が経つにつれ、私は自分の下した決断を明確にし、その人が私の世界に与えてくれた貢献を永遠に称えると同時に、その人を恋しいと思う気持ちも称えることを学びました。」と語っています。

 

Diatom Deli new single “Disarray” out now


Artist: Isik Kural
Title: Diatom Deli
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single

Buy / Listen: https://orcd.co/ary9r98

Diatom Deli – Disarray [Official Video]

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=WmCoCKW2BZM

Directed by Lindsay Gauthier (@lulutrublu) & André Williams (@occubusjive)
Production Assistant – Corey King

 

Diatom Deli new album “Time~Lapse Nature” 5/13 release


Artist: Diatom Deli
Title: Time~Lapse Nature
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-169
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.05.13
Price(CD): 2,000 yen + tax

※日本盤ボーナス・トラック収録予定
※解説・歌詞・対訳付き予定

Pre-order / Pre-save: https://orcd.co/r0olpnx


名門RVNG Intl.が送り出す新たな才能。ニューメキシコ州のなだらかな山岳地帯を拠点に活動するシンガー、ミュージシャンDiatom Deliのニュー・アルバム。これまでの実験的なレコーディングとは異なり、より繊細で伝統的な趣きの作品に。万華鏡のようなアコースティック・ギターを基調にシンセやチャイムなどでアトモスフェリックなトラックを生成し、絶妙な浮遊感を持つたおやか優しいヴォーカルを交えて幽玄的でドリーミーなサウンドを展開する注目の逸材!

Diatom DeliことDelisa Paloma-Siskは、テネシー州クラークスビルで生まれ育ち、ナッシュビルから北へ1時間、プエルトリコのラレスでは母方の家族と長い時間を過ごしながら育った。10代前半に独学でギターを学び始め、その後大学で正式に学んだようだが、その時に身につけたメロディーは長い間残っており、再び現れてきた。彼女は次第にギター、シンセサイザー、そして彼女自身の声を駆使して楽曲を制作するようになり、2015年と2017年にDiatom Deliとして2枚のアルバム『Feelsounds』と『TQM (Te Quiero Mucho)』を録音・リリースした。
本作『Time~Lapse Nature』は2016年から2019年にかけて書かれたもので、2016年から2019年にかけて書かれた『Time~Lapse Nature』は、Deliの内なる感情のスペクトルの寛大で継続的な発掘を体現し、リスナーに緑豊かで愛に満ちた成長を提供する。このアルバムはいくつかのシンクロとコラボレーションの出会いを経て、Michael Hix(シンセサイザー、コネクティブ・マジック)とBryan Talbot(エンジニアリング、サウンドスケイプ)の助けを借りてチャネリングされた。
Deliの影響力のあるプロセスは、アルバム8曲を通して明白である。ムードは太い軌道を描く惑星のように動き、脆弱性が音色の残り火の中で優しく放射され、着地した瞬間に高揚したメランコリーを伝える新しい感覚周波数を受け入れる。「私は、高揚感、悲しみ、笑いなど、あらゆる感情でよく泣きます」とDeliは語る。『Time~Lapse Nature』では、このような壮大な感情を表現するための空間が欲しかったのだという。

この環境の中で、Deliは過ぎ行く友情を称え、創造的な落ち着きを再利用し、獲得した内なる透明性をすべての詩で表現している。祖母に捧げられた「Sonrisa」(スペイン語で “Smile”)のように、愛する人への特別な思いを込めた本作の各曲は、きらめく献身をもたらす。また、冒頭の「Sunday’s Dying Light」は、彼女の母親が残した数多くのヴォイス・メールから始まる。弱々しい関係性が、この作品の土壌となり、両性の歪み、ズレた火、落ち着いた虹に照らされているのである。

『Time~Lapse Nature』は、身を委ねた曲作りから生まれるものだけでなく、その瞬間と必然的なチャンスに身を委ねることも明らかにしている。アルバム全体を通して、フィールドレコーディングは文字通りインストルメンタルであり、自身のヴォーカルとギターに調和する生命のメロディーを奏でている。「公園で遊ぶ子供たちやボーリング場の雰囲気、図書館でページをめくる音など、日常生活のバックグラウンド・ノイズをたくさん聴いています」とDeliは言い。この作品では、日常的な素晴らしさが、ユーフォニックなループやサイケデリックなセラピーの広い惑星を飾り、マジックアワーや曇り空の雪のように魅惑的な作品として、リスナーに寄り添っている。
音によって知ることができ、聞くよりも感じることができるDeliのクレアセンティエンス作品。リスナーが賛美歌のハーモニーの中で交わるように誘われる空間で、プリズムビームが甘くて栄養のある水の上に伸びているよう。広々とした野原に立ち込める霧のように。神話的で永遠的なものへと向かうジューシーな再生のプロセスを暗示し、リスナーひとりひとりが響き渡る静寂に喜びを感じるようにと呼びかけている。

なお、このリリースによる収益の一部はBiotecture Planet Earthに寄付されます。


Track List:
1. Sunday’s Dying Light
2. Massive Headships of Centering Tiles
3. Disarray
4. False Alarm
5. Sonrisa
6. Waves Will See (Your Smiling Face)
7. Deandre
8. Thank You, Maya
+ボーナス・トラック収録予定

 


RVNG Intl.がサインした牧歌的アンビエント・ポップのブライテスト・ホープIsik Kuralの3/25リリースのニュー・アルバム『in february』から最後の先行シングル「coral gables」が配信開始&MV公開。

Credit: Matthew Arthur Williams

Credit: Matthew Arthur Williams

ブルックリンの名門RVNG Intl.が新たにサインした、トルコはイスタンブール出身で現在はグラスゴーを拠点に活動しているアンビエント・ポップのブライテスト・ホープ、Isik Kuralの3月25日リリースのニュー・アルバムから最後の先行シングルとなる「coral gables」がリリース&MVが公開されました。

ステファニー・ロクサーヌ・ウォード(pka spefy)をヴォーカルにフィーチャーした優しく牧歌的なムードの心地よいポップ・ソングです。

MVのヴィジュアルはスコットランドのグラスゴーでStephanie Wardが監督。コンセプトと編集はMeredith Lawdeが担当しております。

 

Isik Kural new single “coral gables (feat. spefy)” out now


Artist: Isik Kural
Title: coral gables (feat. spefy)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single

Buy / Listen: https://orcd.co/vpybgzx

Isik Kural – coral gables (feat. spefy) [Official Video]

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=TG1fhxg4WaQ

Filmed by Stephanie Ward in Glasgow, Scotland.
Concept and editing by Meredith Lawder.

 

Isik Kural new album “in february” 3/25 release


Artist: Isik Kural
Title: in february
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-167
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.03.25
Price(CD): 2,000 yen + tax

※日本盤ボーナス・トラック1曲(H. Takahashi Remix)収録
※解説・歌詞・対訳付き予定

Pre-order / Pre-save: https://orcd.co/o388bwo


イスタンブールに生まれたIsikは、マイアミ大学で音楽工学を学び、その後ニューヨークに降り立ち、最終的にグラスゴーに定住して、サウンドデザインの修士号とオーディオ・ヴィジュアルの実践に没頭。様々なプロジェクトや都市を行き来する一方で、彼の中には、日常の輝きに満ちた世界のヴィジョンから得られる声が育まれていった。2019年にイタリアのカセット・レーベルからリリースされた『As Flurries』とAudiobulbからデジタル・リリースした『Maya’s Night』で一部のアンビエント・リスナーから支持を受け、ニュー・ホープとして注目されていたが、その類まれなる才能に着目したRVNG Intl.が契約に至った。

“音の写真家”とも称されるIsikのサウンドのスタイルは、過ぎ去っていく時間と戻ってくる時間を人生の時間性を表すスナップショットのように記録していく。穏やかでシンプルながら独創的なシンセサイザーの音色とフィールド・レコーディングを融合させ、たおやかなヴォーカルや、ピアノ、アコギなど必要最小限のアコースティック楽器を絡めて牧歌的で温かなアンビエント・ポップ・サウンドを構築している。

本作『in february』の始まりは2019年にイスタンブールに一時帰国したときのことだった。古巣のBabajim Recording StudiosでのセッションのヘルプをしていたIsikは、”一音に触れるだけでメロディが聞こえる”ような美しいピアノに遭遇した。そのピアノを即興でいじった録音をループさせたものが、アルバム中のトラックのタイトルにもなっている「pillow of a thought(思考の枕)」である。この斬新な制作方法を確立した彼は、予期せぬ録音をループさせて構築する3分を超えない12のパッセージを制作した。そこではこれまでの創造的な探求に影響を与えた作曲プランやライヴ・パフォーマンスの性向を捨て、より即効性のある効果を追求している。ナイロン弦のリフレイン、軽快なシンセサイザーのハミング、そして室内楽の断片が、グラスゴー周辺で捉えられた共感覚的なヴァースやディテールとコラージュされ、地元のGreen Door Studiosでエディットされ息吹を放った。また、『in february』には文学的なイメージも添えられており、スタジオとフィールドのドキュメントのスパイラルを通して、聴き手を旅へと誘うような感覚を織り込んでいる。アルバムの中心となる「lo si aspetta」と「che si aspetta」は、ピエル・パオロ・パソリーニの「砂の長い道」の一節にちなんだタイトルである。その他にも天候と失われた友情を結びつけるトルコの詩人グルテン・アキンの詩や、ヴォーカリスト、ステファニー・ロクサーヌ・ウォード(pka spefy)をフィーチャーした3曲のコラボレーションのうちの1つ「yeniden」では、アン・カーソンのソフォクレスの翻訳が用いられている。

Isikは『in february』の詩、音、写真の流れの間を軽やかに行き来する。それはすっと通り過ぎていくような感覚だが、この作品の簡潔さを当然と考えるべきではない。それらは精巧なディテールで互いにささやき合い、愛と憧れの新旧の物語を直感的に書き出しているのだ。

日本盤CDにはボーナス・トラックとして東京を拠点とするコンポーザー/建築家で、やけのはら、P-RUFF、大澤悠大らとのライブユニットUNKNOWN MEのメンバーでもあり、昨年三軒茶屋に自身のレコード・ショップKankyō Recordsをオープンさせた、H. Takahashiによるリミックスを収録。

なお、このリリースによる収益の一部は、トルコ全土の子どもたちのためにワークショップ、教育訓練プログラム、放課後プログラムを作成、実施する団体Turkiye Egitim Gonulluleri Vakfiに寄付されます。


Track List:
01. pillow of a thought
02. simdi iki
03. paperhat
04. pineapples and lime
05. hopefullyhopefully
06. coral gables (feat. spefy)
07. lo si aspetta
08. che si aspetta
09. sevdiklerine
10. yeniden (feat. spefy)
11. berceuse (feat. spefy)
12. slippin
13. film festival
14. pillow of a thought (H. Takahashi Remix) [Bonus Track]

 


TESS ROBY

Photo Credit: Hugo Bernier

Photo Credit: Hugo Bernier

1993年トロントに生まれで、現在はモントリオールを拠点に活動するミュージシャン/フォトグラファー。幼少のころから両親の音楽に囲まれて育ち、トロントの子供オペラ・カンパニーへ参加し、8年間学んだ後、父親のレコーディング・スタジオでギター、シンセ、ドラムマシンを試し、ソロ作品を制作し始める。
イギリスのダルトンにあるAshurst’s Beaconという18世紀の監視塔にちなんだ彼女のデビュー・アルバム『Beacon』は、この地域出身であった父親の死後、2015年に書かれたもので亡き父へ捧げられている。弟のEliotと共に録音したこの作品は、2018年にItalians Do It Betterレーベルからリリースされた。各所で高い評価を得て次作への期待が高まる中、遂にセカンド・アルバム『Ideas of Space』のリリースが決定しました。またフォトグラファーとしてCFCFやTOPSなどのアーティスト写真も手がけ、現在はビデオ&アート・ディレクターとしても活動を開始し、多岐にわたる才能を見せている。


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